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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
三笠の偉い人達に尋問される話
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しかし、
僕が居なくなっては困る人が、ただ一人いたのだ。
●
「出てく…つったのか?」
一応家族全員に別れの言葉は告げておこう。
そう思い。嫌々ながら僕は最後に兄にも出ていくと伝えた。
ああそう。とか野垂れ死ね。とかそんな言葉を想像していたけど、本人からの答えは思っていたものと全く違った。
「俺は…どうなるんだよ?」
「えっ?」
「俺の!ストレスは!何処で発散すりゃいいんだよ!!」
「……。」
以前、兄は言っていた。
出来ない奴は出来ないなりに俺に尽くせと。
せめてストレス発散に使わせろと。
「バカはいいよなぁ…難しいこと考えねぇでボケーッと生きてるだけでいいからよ。お前だよ、お前。」
意味もなく殴られたり蹴られたこともあった。
「俺はな、楽しいこと我慢して勉強だのなんだのやってんだよ。それ傍目にお絵描きごっこなんていいご身分だな。だから燃やしてやるよ。いらねぇだろこんなもん。」
描いた絵を燃やされたこともあった。
僕が泣く度、悲しくなる度に奴は笑う。
絵を描くことは非生産的であるといい、とことん僕を責めた。
さらに友人を使って何十人かの人間になりすまし、SNSで僕の絵を片っ端から叩いてトラウマを植え付けられた。
トラウマのせいで描こうとすると手が震え、絵が描けなくなると奴は面白そうに腹を抱えて笑ってた。
そうして、気づいたことがある。
僕がいたからこそ、僕というサンドバッグがあったからこそ奴は普通の人間でいられたのかもしれない。
いなくなってからは、酷いものだったと聞いた。
成績が目に見えて落ち、両親に小言を言われては逆ギレして家の中のものを壊して暴れ回る。
ストレスから来る暴飲暴食のせいで、元々肥えていた彼の身体はさらに醜く肥え太った。
猫などの小動物をバットで殺していたとも聞いた。
ある日警察に見つかったものの、お得意の母親のコネで逮捕には至らず、多少の金額を支払って有耶無耶になった。
学校ではその傍若無人な性格が露となり、どんどん孤立していく。
そんな中、唯一良くしてくれた同級生に対し、何を勘違いしたのかレイプまがいのことをしたと聞いた。
警察沙汰になったらしいが、これもまた母親のコネを使った。
被害者側が悪いということとなり多額の慰謝料を支払わせた。
外見も中身もどんどん醜くなり、友達も失い、母親からは
「もう騒ぎを起こさないで」と生まれて初めて本気で怒られ、
更に父親からは
「今のお前には病院を継がせたくない」と告げられる。
永遠に絶頂期を保っていられるだろうとタカをくくっていた奴は、
こうして見事に転落した。
●
「それから…どうなったの?」
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