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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
外法には外法をぶつける話《前編》
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「はふっ!はふはふはふ!!」
葛城邸、居間。
そこにいるのは僕とお栄ちゃん。アビーとユゥユゥ。
そして、
「そんなに急がなくてもいいよゴッホちゃん。おかわりもたくさんあるし、誰もとったりしないから。」
ご飯にがっつくゴッホちゃんだ。
「お、おおお美味しいですお兄様…!夢の中でも何度もいただきましたが、やはり現実で食べるご飯は一段と美味しいですね…!ほんとに、おいしくて、おいじぐっでぇ…!!」
「あー泣かないで!大丈夫だから!!」
食べたり笑ったり泣いたり、
そんな忙しいゴッホちゃんをなだめる僕。
「泣くほど美味しいのかい?」
「はい、それはそれはもうとても…!現実でまともな食事なんて…今まで無かったものですから…!」
「まともな食事?」
お栄ちゃんの頭に疑問符が浮かぶ。
確かゴッホちゃんはあいつにいいように扱われていた奴隷だ。
何を食べさせられていたか、それは
「本来サーヴァントは食事による栄養摂取を必要としません。ですが過去にゴッホは霊基をいじられ、定期的にあいつの糞尿を摂取しないと苦しむ身体に改造させられ…あ、お食事中になんて汚い話を…ゴッホ謝罪…。」
「……。」
本来ならば食べることすら忌避されるものを無理矢理食わされ、ろくな食事は与えられなかった。
そうして沈黙する一同。
「とても、酷いものだったのね…。」
「ええ、筆舌に尽くし難い日々でした。辛くて辛くて、苦しいだけの毎日を過ごす日常。陽の光なんてささない、真っ暗な毎日。」
ゴッホちゃんがかつての日々を思い出すように話す。
そんな時、彼女の手をユゥユゥがぎゅっと握った。
「でももう、大丈夫だよ!!」
「え…。」
あまり人の優しさに触れてこなかったゴッホちゃんは、いきなりそんなことをされて戸惑う。
「何があってももうあたし達がついてるから!だってここにいる人達、オナクラ≠セもん!」
「オ、オナクラ…。」
「そ。オナクラ。あたしもアビーちゃんも北斎さんも、それにマイマイだってみーんな同じクラスのフォーリナーなんだから!」
同じクラス、略してオナクラ。
偶然にもここにいるのはみんなフォーリナーだ。
そういった共通点を見つけてユゥユゥはゴッホちゃんとの距離をうんと近くしてくれた。
やっぱりこういったことは彼女の専門分野なんだろう。
「えへへ…ありがとうございます。」
「ゴッホちゃんお茶碗が空っぽだね。おかわりする?」
「い、いいのですか…?」
ゴッホちゃんのお茶碗にご飯がないことに気付き、僕は彼女の返事を聞かずそのまま白米をよそってあげる。
「遠慮しないで。沢山食べていいからね。」
「あ、ありがとうございます…!!みなさん…みなざんほんどに…やざじぐでぇ
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