二人の処刑人
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……ダメだね」
ディケイド激情態。本来のディケイドの目を歪めたその姿の彼は、じっとハルトとディエンドを睨んでいる。
ディエンドはやがて大きくため息を付いて続ける。
「こんな士じゃ、僕を満足させられないよ」
『ケッ! 言ってろ! アナザーパラドクス! メタルビルド! お前らも出番だ!』
コエムシの命令により、銀のオーロラがその背後に出現。
そして現れる、二人の処刑人。
それぞれ、ほとんどが黒一色で染め上げられた仮面ライダーたち。
何かのゲームのキャラクターのように、デフォルメされたような顔と造形をしているが、その一方、黒で構成されることにより、どこか心のない無機質さを醸し出す、アナザーパラドクス。
そして、まさに戦争兵器だと体現しているかのように、冷たい鋼鉄のボディを持つ、戦車の形を両目に付けた、メタルビルド。
「スリリングなゲームを始めようぜ」
「面白い。さあ、戦争だ」
ディケイドと合わせ、合計三人の処刑人たちは、各々の武器を構え、ディエンドへ飛び掛かる。
三人の猛攻をディエンドライバーで応戦しながら、ディエンドはカードを取り出した。
「こういうごちゃごちゃしてくるのはあまり好きじゃないんだ」
『カメンライド パラドクス グリス』
ディエンドがカードを読み込ませると、ディエンドライバーが別の仮面ライダーを召喚。
パラドクス、グリス。
それぞれ、処刑人たちと因縁のある相手である。
「士にはこれだね」
『カメンライド クウガ キバーラ』
そして、ディケイドの前に立つのは、また二人の仮面ライダー。
ディケイドも一度は変身して見せたことのある、赤い超古代の戦士、クウガ。それと、白いコウモリの女性の姿をした、キバーラ。
それぞれ、関係の深い相手と取っ組み合う。
幻影たちがそれぞれ戦っているのを見届けて、ディエンドは最後に新たなカードを使用する。
『アタックライド インビジブル』
「あとは任せたよ」
それは、透明化のカード。
見えなくなったディエンドは、足音もない。おそらく、戦線離脱したのだろう。
だがディエンドがいなくなっても、それぞれ三か所で格闘が繰り広げられれば、狭い教会の中など破壊されていく。
廃墟はより一層傷付いていく。座席は破壊され、柱は砕け、天井近くのパイプオルガンは落下する。
「ぐっ!」
パイプオルガンが大きな音を立てて落下する。
粉塵に顔を覆いながら、ハルトは顔を上げる。
合計七人の攻撃が容赦なく降り注ぐ中、ハルトは自らの指輪を持つコエムシを睨む。
『ハハッ! いいぜ! やれやれ!』
戦う仮面ライダーたちへ野次を飛ばしながら、コエムシは鑑賞している。近づくハルトには気付いて
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ