第四章
[8]前話
「それが秘術師の為すべきことですね」
「左様です」
ハーミットは笑顔で答えた。
「まさにそれこそが」
「そうですね、実は僕は英語とイギリス文学を学ぶ為にです」
「イギリスに来られていますか」
「ですが日本を離れていまして」
「ホームシックですか」
「最初にお会いした時はそれになっていまして」
それでというのだ。
「あの様にです」
「気弱な感じでしたね」
「そうなっていました」
「左様でしたか」
「ですが」
それがというのだ。
「あの時ハーミットさんにお会いして」
「秘術のお話をされましたね」
「人を楽しませること、そして」
「努力ですか」
「そのことを言われましたね」
「はい、覚えています」
「ホームシックとは直接関係ないですが」
そうした話をしたがというのだ。
「それでも何か元気付けられて」
「誰かとお話するだけでも違いますね」
「実は英語に自信がなかったのですが」
自分のそれにというのだ。
「普通にやり取りも出来たので」
「はい、普通にわかります」
若者の英語はというのだ。
「流暢ですね」
「そのせいかやり取りも出来たので」
このこともあってというのだ。
「自信も出来てそこから励まされて」
「そうなってですか」
「ホームシックも克服出来ました」
「気の持ちよう一つで」
それでとだ、ハーミットはこうも話した。
「マイナスの感情はです」
「克服出来ますね」
「そうです」
「それもですね」
「そうです、秘術と言うなら」
ハーミットは微笑んで話した。
「そうなります」
「そうですか、ではこれからも」
「英語とですか」
「イギリス文学をです」
その両方をというのだ。
「学ばせてもらいます」
「はい、では私も秘術をです」
「されますね」
「そうします」
「では頑張って下さい」
「はい、貴方も」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
若者はハーミットの前のお金を入れる箱に一ポンド紙幣を置いた、そして笑顔でお願いしますと言った、ハーミットはその彼に秘術を見せた。行う彼も見る青年も笑顔であった。
秘術師の救済 完
2023・1・14
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