七十二 光と闇
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きた木ノ葉の里の仲間だ…っ!」
キッパリとそう告げたイルカの言葉に、ミズキは笑みを堪えきれなかった。
「仲間?仲間だと?」
そうして、眼を眇める。
呆れた声で、ミズキは頭を振った。
「仲間と言うのは幼子を甚振り迫害し暴行するような腐った連中のことか?」
「なんの話だ…?」
本気で理解していないイルカを、ハヤテの顔で呆れながら眺めた。
ちょうど、廃屋を中心に紅く染め上げる射光が、かつてナルトが佇んでいた彼岸花の鮮やかな色を思わせる。
九尾の狐だとバラし、イルカが初めてナルと心を通わせ、理解者になれるようお膳立てしたミズキは、かつて共にアカデミーで教鞭を振るった友を見つめた。
波風ナルの理解者であり、最初に彼女を認めたうみのイルカ。
うずまきナルトに認めてもらう為、自ら内通者を望んだミズキ。
落陽により射し込む緋色の光が、対照的な双方の間を遮るように明暗を別つ。
それはその名の通り、光と闇であり、分かれ目でもあった。
「おめでたい奴だ…思い知るがいい、お前ら木ノ葉の連中が犯した過ちを。この里が生んだ最低最悪の罪を」
太陽の陽射しを浴びて光の中にいるイルカを、影の内側にいるミズキは眩しげに見やった。
決して光射すことのない闇の中で。
「相変わらず甘いな…イルカ」
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