X世、注意深く観察する。
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額に応じてそれぞれのPPプライベートポイントが差し引かれる。いわばクレジットカードのような物だ。……いや、おサイフケータイと言った方がお前達学生には分かりやすいかもしれんな」
PPという聴き慣れない言葉に皆が顔をしかめる。そんな中、先程の自己紹介の提案をした平田君が皆を代表して質問をしてくれた。
「先生、PPって何ですか?」
「ふむ。PPとは、学園での色々な支払いに使えるポイントの事だ。すでにお前達の端末にも今月分の10万ポイントが支給されているはずだ。そして、このポイントで買えないものはない。敷地内でも、学校内でもな」
茶柱先生の話を確かめるべく、全員が学生証端末を操作し始めた。端末内にPPの項目を見つけたのでそれをタップした。すると……
(わっ! 本当に10万ポイントある!)
『所持PP 100,000』と表示されたのだ。
「すげぇ、こんだけあれば何でも買えるんじゃね?」
「毎月10万ポイントも貰えるの!? さすがは国営ね!」
「ふふふっ、この学校に入学できたお前達だ。それだけポイントをやる価値が今はあるという事だな。……ちなみに、PPの付与は毎月1日と決まっている。」
先生のこの発言に、クラスメイトからは歓声が沸いた。
「まじかよ! 太っ腹だなぁ!」
「ねぇねぇ、後でブティック行かない?」
高校生に似つかわしくない程の小遣いの額。俺も普段だったら手放しに喜んだと思う。しかし、今の俺は頭の中ででぐるぐると回るリボーンの言葉と、女子、そして先生の言葉について考えるのに精一杯だった。
『今日一日、マンションに帰るまで気を抜くんじゃねぇぞ。常に周りを観察しておけよ』
『毎月10万ポイントも貰えるの!? さすがは国営ね!』
『ふふふっ、この学校に入学できたお前達だ。それだけのポイントをやる価値が今はあるという事だな。……ちなみに、PPの付与は毎月1日と決まっている』
女子生徒……確か軽井沢さんと言っていたな。軽井沢さんは毎月10万ポイントが貰えるのかと言っていた。なのに、茶柱先生は毎月1日に振り込まれるとしか言わなかった。
普通なら、軽井沢さんの言葉に何か反応するもんじゃないか?
それに今は≠チていうのも気になる。
つまり、来月に10万振り込まれる確約はないって事なんじゃないかな?
でも……例えそうだとして、なんで先生はそれを説明しないんだ?
それに、自己紹介の恥ずかしさで忘れてたけど、まだこのクラスを注意深く観察してなかった。注意深く周囲に気を配ってみよう。
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