錬金術師
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だ。俺はアテナを完全体にしたい。アテナは人間になりたい。双方の夢を叶えるために君たちの協力が必要ってわけだ」
「協力?」
彼らがどのようにアテナを人間にしようとしているのか、そもそも人間になることが完全体になるということにかはよくわからないが、彼の言葉にエクシードたちは困惑していた。
「もしかして初めから争う必要なかったのですか?」
「バカ!!ウェンディたちを誘拐したのよ!!」
「いきなり実力行使だったじゃん〜!!」
「フローもそーもう」
もし本当に協力が必要なのなら、いきなりあんな捕まえ方はしないだろうしその後もあんな風にギルドのメンバーに囲ませるような真似はしないはず。それを平気でやれるってことは、彼らの言う協力と俺たちが考えている協力は別物だ。
「あぁ。ナメられたままじゃ引けねぇんだよ」
「最初に仕掛けてきたのはあなたたちなんですから」
「あなたたちに協力することはありません」
「そういうこった」
「「「「「!!」」」」」
全員の意志は一致していた。彼らに協力することはできないしする義理もない。そして俺たちがそう言うのと同じタイミングで、デュークの背後から聞き覚えのある声がする。
「錬金術ってのは、俺と相性がいいかもな」
いつの間にか姿を消していたグラシアンさん。どこに彼がいるのだろうと思っていたがその正体がわかった。
「なっ!?」
「こいつ・・・煙になって・・・」
ゲンナイの煙はいまだに部屋に残っている。その煙に変化していたグラシアンさんはデュークの背後に回ると、人の姿へと戻り彼へ回し蹴りを放っていた。
「ぐっ・・・」
そのまま倒れるデューク。それを見たゲンナイとコウテツはすぐに反撃に出ようとしたが、グラシアンさんは再度煙になり姿を消すと、いつの間にか俺たちのところへと戻ってきていた。
「確かに人形なのかもね。思考力が俺たちに追い付いてないみたいだし」
「こいつ・・・」
まるで悪者のような笑みを浮かべるグラシアンさん。交渉決裂の一撃を受けたはずのデューク。それなのに、彼は笑っていた。
「なんだ・・・あの余裕は・・・」
彼のその笑みの理由が何なのかわからない俺は背中に冷たいものを感じ、その場から動き出すことはできなかった。
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