錬金術師
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「バカ言え、戦ってりゃ体力も減るし受けたダメージも残る。常に100%なんてありえねぇんだよ」
グレイが俺たちの声を代わりに代弁してくれる。そう、戦っているのであれば嫌でもダメージを受けるし肉体は悲鳴を上げていく。例え何度でも錬金術が使えるのだとしても、それだけ変えようのない事実のはず。それなのに、まるでゲンナイはそのことを気にしていないようだった。
「あ、それがゲンナイさんにもコウテツにも体力というものが設定されてねぇのよぉ。オロオロ」
「は?」
「設定?」
「何々〜?」
「どういうこと?」
「フローもわかんない」
突然のゲンナイの言葉は困惑する一同。それもそうだ、設定って何を言ってるんだ?こいつ。まるでロボットみたいな言い回しだが・・・
「無限にあるということだ」
「「「「「!!」」」」」
彼が何を言っているのかわからずにいる俺たち。そんなところに現れたのはガッチリとした肉体に年老いているにも関わらず凛々しくさえ映る風貌をした大男だった。
「マスター」
「マスターデューク」
「へぇ、こいつが・・・」
「黄金の梟のマスター!?」
ただ者ではないことは見ただけでわかるほどの圧力。その自信に満ち溢れている男の次に放つ言葉は、俺たちの常識を打ち破ってきた。
「ゲンナイもコウテツも俺が作った機械人形だからな」
「人形!?」
「そんなバカな!?」
「ウソだろ!?人間にしか見えねーぞ!?」
今目の前で戦っていた二人は彼が作った人形だというのだ。俺たちが知っている人間のイメージとは全く違う、人にしか見えないそれに驚愕する。
「申し遅れたな、俺はデューク。この|黄金の梟のマスター。そしてかつてはエレフセリアの弟子であり、アテナを作った錬金術士だ」
俺たちが・・・というより妖精の尻尾が探しているアテナの生みの親。それで俺たちからすれば驚きなのだが、シリルたちはそれとは別のところに驚いていた。
「エレフセリアの弟子だと!?」
「それって100年以上昔の人ってこと?」
「もう亡くなってるのかと思ってました」
そのエレフセリアというのは今シリルたちが受けている依頼主らしい。彼らが受けているのは100年クエスト、つまり依頼主も100年前から生きているとのことだが、その弟子ということは彼もそれくらいの年齢ということになるのか?
だとしたら相当若く見える。
「エレフセリアからは何を聞いているのかね?」
「そういえば何も聞いてない・・・」
「あれ?そうだっけ〜?」
「うっかりさんですね」
「フローもそーもう」
何だか噛み合ってないメンバーもいるが、そこはあえてスルーしておこう。ゲンナイとコウテツと呼ばれた二人・・・二体の人
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