錬金術師
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の身体が煙となって消えてしまう。
「な・・・」
「何これ!!」
「周りにいた人たちまで〜!!」
「け・・・煙になっていきます!!」
周囲に倒れていた者たち全員が煙となって姿を消す。その原因が彼の力であることは、その場にいた全員が理解した。
「サイ・・・下がってなさいよ大人しく。オロオロ・・・」
「煙の魔法か」
「錬金術だよ、煙のね」
その力は見た目に反して脅威であることを察知した俺たちは敵を見据える。男たちは俺たちと同じ階層に降りてくると、一触即発の雰囲気になる。
「オロオロ・・・ゲンナイさんは煙を錬成するのよぉ」
「煙の造形魔法だと思えばいいか」
巨大な東洋のタバコを取り出すゲンナイ。グレイの言う通り今のままだと魔法と錬金術の違いが一切わからない。いや、名前が違うだけで同じもののよな気さえする。
「オロオロ・・・錬金と魔法の決定的な違いを教えてやろうかね」
なんて優しい奴なんだと思った俺がバカだった。俺たちを囲むように男のタバコから放たれた煙が舞い上がってくる。
「すごい煙!!」
「視界がー!!」
「何も見えない!!」
「目に染みる〜!!」
「もくもくー!!」
完全に視界を遮られた上に何か細工があるのではと警戒して呼吸を深く吸い込むことができない。ただ、戦うことに関しては一切の問題もなかった。
「相手が悪かったみたいですね」
「滅竜魔導士の鼻を甘く見るなよ」
「匂いと音で場所がわかります」
「そういうこった」
この場には滅竜魔導士が四人もいる。相手は先ほどゲンナイに煙にされたことで二人しかいない。となれば対応は可能なわけ!!
「ローグ!!」
「わかってる」
ローグの背後に回り込んでいた黒ずくめの男。そいつは拳を打ち込んでくるが先に気付いていた彼は難なくそれを受け止める。
「なんだ!?腕が重い!!」
防いだかに思われた一撃。しかしそれを受けた直後のローグの様子がおかしい。まるで自分の腕が支えきれないように床に膝をついている。
「どうした!?ローグ!!」
「腕が鉄に・・・ゲンナイ
ローグの腕が黒く変色して鉄のようになっている。何がどうなっているのかわからずにいると、黒ずくめの男が得意気に話してくれた。
「俺は"鉄"を錬成する」
どうやらこれがあの男の力らしい。しかしこれもまるで魔法のような力であるため、本当に錬金術なのか怪しいところだ。
「大丈夫か?ローグ」
「あぁ。しかしそれにしても。つくづく鉄に縁があるな・・・俺は」
焦っているようにも見えるがどこか嬉しそうにも見えるローグの表情。ただ、事態が深刻になっているのは言うまでもない。
「ウェンディ
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