錬金術師
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くる予定だったらしい。できれば運び出される前にお嬢たちがたどり着いてくれればいいが・・・
「お前ら妖精の尻尾に喧嘩打って・・・どうなるかわかってんだろうな?」
捕らえられて危機的状況にあるにも関わらず決して戦意の喪失はしないグレイ。これでパンツ一丁じゃなければ相当に決まっていたなと心の中で思っている。
「どうしよう、シリル」
「どうしようってこの縄・・・」
ただ、不可解な点が一つ。それがなぜ彼らは縄で縛られているだけなのに脱出できないかということ。魔法を使えばすぐにでも脱出できそうなものだが・・・
「その縄、錬金素材に"魔封石"を使ってるんだ。魔法を使えなくする石だよ」
元々は冥府の門が使っていた魔封石だったが、それをこいつらはどこかから入手したらしい。だから魔法が使えず逃げられなくなっているわけか。
「シリルとウェンディを頼む」
「わかった」
ただ、魔封石は拘束している相手にしか効果はない。そのことをわかっていた俺はグレイとエクシード二匹の、ローグはシリルとウェンディの縄を一刀両断する。
「錬金術師ってのは、頭がよくないみたいだな」
「わざわざ縄に作り変えなくても"石"のままの方が切られずに済んだのに」
影から元の姿へと戻る俺たち。その姿を見てグレイは驚き、シリルとウェンディは笑顔を見せていた。
「ローグさん!!」
「グラシアンさん!!」
「なんでここに・・・」
俺たちがここにいることに不思議がっているのはグレイだけではない。それは黄金の梟の面々も同様だ。
「な!?」
「どこから入ってきた!?」
「こいつらも妖精の尻尾か!?」
「一緒にするな」
浮き足立っている男たち。奴らが仕掛けてくる前にと俺とローグはすぐに動く。
「影竜の斬撃!!」
「幻竜の咆哮!!」
手始めに目の前にいる男たちを一気に凪ぎ払う。動揺していた彼らに反撃する余裕などなく、いとも容易く吹き飛ばされていく。
「てめぇ・・・」
ただ、後方にいた敵にまではそれは及んでいなかった。当初予定していた通り敵の本部というのともあり俺たち二人だけでは物量で押し切られてしまう。
「とにかく助かったぜ!!アイスメイク・・・槍騎兵!!」
だが、グレイたちの救出が済んでいる以上それも対して脅威ではない。状況を把握はしきれていないものの、グレイは向かってくる敵を簡単に振り払って見せたのだから。
「ここはどこなんだ?俺たちは宝石に変えられて・・・」
「私たちはどこに連れて来られたの?」
どうやら今の自分たちの状況を把握できていなかったのはシリルとウェンディも同様だったらしく、二
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