やっぱり僕は歌が好き 第二十一楽章「マジカル・ミュージック」
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
(グランバニア王国:城前地区・プービル)
ピエッサSIDE
社長が所有されてる個人的利用目的のビル。通称「プービル」
2階に上がって重厚な二重扉の奥には、そこそこ高そうなブランドピアノや、その他楽器に音響装置が置いてあり、ソファーやテーブルなども配置されてて、音楽活動を行うには申し分ない状態になっている。
そんな豪華な部屋の中央付近に先程搬入されたと思われる楽器らしき物体……
社長はそれらに近付くと、ケースから特殊な形のギターらしき6本弦の楽器を徐に取り出して軽く弦を弾いた。
如何やらチューニングを行ってる様で、もう一つの4本弦の楽器も同じように音を合わせた。
「さて、これが新しい楽器なんだけど……」
「もしかして以前に仰っていた、マジカルギターとマジカルベースですか?」
社長が私達の方に視線を向け楽器の説明をしようとした時、アイリが嬉しそうに以前の事を思い出す。
そう言えばそんな事を言っていた様な……
「そう。よく憶えていたね。今回はこのMGとMBを一般に浸透させる事を手伝ってもらいたいんだよね」
“手伝う”?
いったい何をすればよいのだろうか?
「浸透させる第一段階として、芸高校の音楽を専攻している生徒らの中から、何人かを教える立場に育てたい。その課題曲が“コレ”!」
そう言うと社長は私とアイリに楽譜を手渡す。
「曲名が『夜に駆ける』ですか?」
「うん」
アイリの質問に笑顔で応えると、社長はピアノに向かって弾き語りを始めた。
・
・
・
名曲だ。
格好いいのに何だか切なく、そしてノリが良い。
この曲で新しい楽器を世に広めようというのね。
でも疑問が……
「社長……聴いた感じでは、この曲はピアノ伴奏がメインの曲に聞こえましたが、そんな曲でMGとMBを宣伝するんですか?」
勿論アレンジ次第で感じは変わるけど、社長ならもっと新しい楽器メインの曲を作れるんじゃ?
「うん、そうだね。もっとMGやMBが主体のロックな曲も用意できるんだけど、ピアノメインの曲でスタイリッシュに演奏してこそ、皆の興味を引くと思うんだよ。見た目って大事じゃん。『あんな風に演奏してぇ!』って思ってこそ、テクニックを憶えようと意欲を燃やしてくれると思うんだ」
「で、ですが……そうなると私に新しい楽器を完璧に弾き熟すテクニックが必要になります。正直……自信がありません」
情けない話だが、私はピアノ専攻。
今更ギターやベースを憶えるには時間が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ