共闘の虎
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「遅ぇ!!みんなして迷子になりやがって」
俺たち剣咬の虎は全員が揃っているんだが、情報収集に動いていたはずの妖精の尻尾のメンバーがナツ以外戻ってこない。指定された時間はとっくに過ぎているというのに。
「意外だなぁ、一番ナツさんが時間にルーズそうなのに・・・」
「エルザさんなんかは時間きっちり守りそうですもんね」
「まぁうちは誰一人守ってなかったけどな」
「だって色々あったんだもん!!」
いかにも俺たちは時間通りにここに集合したような雰囲気だが、フィオーレでは見たことがないようなものが多すぎて時間を大幅に遅れて宿に戻ってきている。ただ、その時は誰もいなかったためいかにもな雰囲気を醸し出しているだけだ。
「少し心配だな、誰一人として帰ってこないというのは・・・」
「フローもそーもう」
ただ、ナツだけが戻ってきていて他の誰も戻ってきていないのは少々違和感がある。遅れているにしても、どこか一組くらいは戻ってきていてもいいはずなんだが・・・
「捜しに行きましょう」
「待て・・・それよりも一つ気になることがある」
心配になり探しに動こうとした俺たちだったが、お嬢は先ほどナツから聞いた話が引っ掛かっているようだ。
「ナツ・・・炭鉱夫ギルドなる輩に絡まれたと言ったな」
「あぁ・・・全員燃やしちまったけど」
錬金術ギルドも聞いたことがないのに、炭鉱夫ギルドという謎のギルドが現れ襲撃してきたらしい。ただ、ナツはくしゃみ一つで全員を吹き飛ばしてしまったらしいが。
「奴らは妖精の尻尾だと確認した上でナツに絡んだ。その上錬金術で鍛えた武具を持っていた」
「何か引っ掛かりますか?」
お嬢が何に気付いたのかわからず問いかけるユキノ。それを聞いて俺たち三人は何が言いたいのかおおよそわかった。
「昼間・・・街を回って気づいたことがあるだろう」
「穴がいっぱいあるー」
「炭鉱だ」
「鉱石を掘り出してるんだろ」
至るところから鉱石が取れるから炭鉱夫ギルドが成り立っており、そいつらが力を持っているのもうなずける。
「宝石屋も多かったですハイ」
「それだねじゃねぇ・・・薬屋も多い」
「至るところにあったよね」
同じような店がところ狭しと配置されていた。そしてこれらには全て共通点がある。
「うむ・・・この街は錬金に使われる素材を多く取り扱っておるのだ。予想通りゴールドオウルと深く繋がっている街と言えよう」
「それが何だって言うんだ」
それを聞いてもいまだに理解が追い付いていない様子のナツ。いや、うっすらと理解はしているのだろう、その目は鋭くなってきている。
「ゴールドオウルの命令で街全体が|妖精の尻尾《
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