五本勝負!!
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ユキノさんは天然なところがあるからか、そんな俺たちの様子を気にすることなくじっとこちらを見ているが、察してくれたグラシアンさんは彼女を制止してくれた。
「みんな面倒な依頼を引き受けてるみたいだな」
「みんな?」
「蛇姫の鱗と人魚の踵の皆さんも合同で依頼に行っているとのことで」
「シェリアたちがですか?」
話を聞く限り全員ではないらしいけど、ギルドの中でも優秀なメンバーが選ばれての依頼をこなしているらしい。それも受注したのが俺たちが100年クエストに向かったのと同じ時期。一体どんな依頼なんだろうと気になってしまう。
「おっしゃー!!燃えて来たぞー!!かかってこいやー!!スティング!!」
そんな話をしているとナツさんが突然叫びだしそちらへと視線を向ける。そこではナツさんとスティングさんが睨み合っているような様そうになっており、心配してグレイさんの隣へと駆け寄る。
「どうしたんですか?」
「あぁ、実はな」
エルザさんが剣咬の虎に手紙を書いていたのは彼らが持っているというフィオーレ一の図書館を貸してもらうためだったらしい。ただ、そこは本来ギルドのメンバーしか使えないのだが、今回はスティングさんの提案するゲームで勝利すれば自由に使わせてくれるとのこと。
ルールは簡単で1対1のゲームを5回戦行い、先に3勝した方の勝ちとのこと。ただしそのゲームはスティングさんたちが決めるとのことで、俺たちが不利なのは言うまでもない。
「うむ。我々が不利だが、無理を言っている手前・・・仕方ないか」
「その代わりメンバーは誰を選んでもいいってことにするよ」
「いいだろう、乗った!!」
「頑張ります!!」
「絶対勝ちます!!」
あちら有利のゲームだけどお願いしている側がこちらなだけに断ることはできない。それにみんなもやる気みたいだし、ここは乗るのが筋だろう。
「まず一回戦は俺とババ抜きで勝負だ!!」
「てめぇ絶対ぇインチキする気だろ!?」
最初の相手はグラシアンさんだけど、あの人幻影魔法でいくらでもインチキ出来そうな上にゲームもインチキ出来そうなトランプゲーム。もう完全に確信犯だろこれ。
「インチキがどうかの基準は俺だ」
「うわ!!もうたぶん何か仕掛けてる!!」
「これだけはやりたくねぇ・・・」
もう負ける気しかしないゲーム選択に誰も出れずにいると、見かねた氷の魔導士が手を挙げた。
「俺がやってやる。インチキなんかに負けねぇよ」
「まだ何もやってねぇだろ!!」
まだってことはやるんだろうなと内心思いながらも二人きりでのババ抜きが始まる。もちろん二人なのでサクサク進んでいき、最後の一枚の取り合いになるわけだが・・・
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