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Fate/WizarDragonknight
監督役のサーヴァント
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「ぐっ!」

 目が覚めたのと、地面に落とされたのは同時だった。
 見覚えのある床を見下ろしながら、ハルトは自分がいる場所を確認する。

「ここは……教会か?」

 聖杯戦争の監督役が集う教会。見滝原の僻地にあるこの場所は、ハルト自身、何度も足を運んだことがあった。
 いや、とハルトは考えを否定する。
 訪れたことがある教会とは、細部が異なっている。破壊されている箇所もハルトの記憶にあるものとは一致せず、割れたステンドグラスから見える外の景色も見滝原の街並みではない。

「何でこんなところに……あれ?」

 体が動かない。
 見下ろせば、ハルトの両腕両足は縄で縛られていた。ゴロゴロと体を転がすこと以上の動作ができないほど、縄はハルトへの拘束具の役割をしっかりと果している。

「見て分からないかい? 拘束させてもらっているだけだよ」

 ハルトの目の前でしゃがむのは、件の元凶である海東。
 彼は笑みのまま、顎で中央の祭壇を見るように促す。

「さあ、連れてきてあげたよ。約束通り、お宝を渡したまえ」

 海東の視線の先。
 その先には、見たことのない中年くらいの男性が、祭壇の机に腰かけていた。

「ご苦労やな。ディエンド。ほんま、感謝するで」

 関西弁独特の発音をしながら、手にした扇子で自分を仰ぐ中年。
 だが、聖杯戦争の中心であるこの場所にいる彼が、ただの中年であるはずがない。

「お前は……? 参加者か?」
「せや。ルーラーのサーヴァント、アマダムちゅうねん」
「アマダム?」

 体を少し起こしたハルト。拘束されている手を動かし、なんとかホルスターの指輪に手を伸ばすものの、ホルスターに指輪はない。

「っ!」
『バカが。捕虜の武器なんざ、取り上げるに決まってんだろうが』

 その声は、空気の振動ではない。
 脳内に直接訴えるそれは、ハルトにとってはもう分かり切った相手だった。

「コエムシ……!」
『無様だな、ウィザード』

 コエムシ。
 見滝原の聖杯戦争を管理する運営、その三体の妖精のうち一体。
 大きなネズミのような頭部と、ぶら下がる小さい胴体を持つその妖精は、手にしたルビーの指輪を見せつける。

「それは……!」
『探し物はこれだろ? 悪ィな。これはもうオレ様たちのもんだ』
「なあ、そろそろウチの自己紹介に戻らせてくれへんか?」

 となりのコエムシへ、アマダムと名乗った中年が口を尖らせる。
 コエムシはヘラヘラと笑いながら、アマダムへ続きを促した。

「どこまで話したかいな……? せやせや。ウチはな。かつてウィザードに破れた、魔法使いやで」
「ウィザードに……敗れた?」

 その言葉を、ハルトは反芻させた。

「アンタを倒し
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