崩壊する迷宮
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「この道、さっきも通らなかったか?」
見覚えのある道を通りながら隣にいる緋色の女性へと問いかける黒髪の青年。それは彼女も気が付いていたようで、周囲を見渡しながら腕組みをしていた。
「さっきのモンスターといい・・・なんなんだここは・・・」
「さぁな・・・とと」
道に出来ている亀裂に足を取られバランスを崩したグレイ。しかし彼は近くにあった壁に手を伸ばし転ぶことを回避した。
ガチャッ
「「ん??」」
それと同時に何か音がする。青年は何かを手で掴んだ感触があるためそれを見ると、そこには丸い宝石のようなものが握られていた。
「あ・・・」
明らかに取ってはいけない何かを取ってしまったことで額から吹き出る汗。二人は地形が変わっていくのに気を取られていると、突然二人がいる足場が大きく開き、下へと落下していくのだった。
シリルside
ディアボロスの黒滅竜騎団の一人、ハクを倒した俺たちは意識を失っている彼を背負いながら変わり行く地形をはぐれないように進んでいた。
「てか黒滅竜騎団って何?」
「さぁ?」
あのカラスのヒカゲも言ってたけど、それが何なのか聞いてなかった俺たちはよくわからずにここまで来ている。もしかしてディアボロス内でも別格のメンバーたちとか?それならハクの実力が高かったことも頷ける。
「にしても暑いね〜」
「本当・・・ナツが暴れてるんじゃない?」
「ははっ、そうかもね」
迷宮内の温度が先ほどまでとは比べ物にならないほどに上がっている。その理由をナツさんに押し付けていた俺たちだったけど、突然不審な匂いを感じ顔を上げる。
「何?この匂い・・・」
「迷宮に何者かが侵入した!?」
誰のものかはわからない・・・いや、微かに誰かに似ているような気がするけど、それを思い出すことが出来ない。
「どこから入ってきた!?」
「あっちの方かな?」
「待って!!」
その匂いの方へと足を向けようとした俺たちだったが、シャルルに呼び止められ彼女の方へと視線を向ける。
「エルザが危ないわ!!」
「エルザさんが!?」
「もしかして予知能力!?」
ウェンディの問いに頷くシャルル。シャルルは予知能力が使えるためそれを生かして危険を回避することも出来る。発動するのはごく稀にしかないけど、それが外れることはほとんどない。
「こっちよ!!こっちに行けばエルザがいるはずだわ!!」
「わかった!!」
「急げ〜」
「待って待って!!」
ハクを背中に担いでいるため三人から少し遅れて後を追いかける。しかしこの匂い、誰なんだ?ナツさん以上の炎の魔導士がいるということなのだろうか?そんなことを考え
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