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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
白VS黒
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「痛たた……」

「大丈夫か? カルラ」

 試合後、私は一度保健室へ行ってきました。最後の鈴さんの一撃を左腕で受け、更にはその至近距離での爆発。折れてはいませんでしたが簡易検査でひびが入っているかもしれないとのこと。
 それなのに私は無理を言ってアリーナの生徒専用の応援席にいます。何せ次の試合のカードは……

一回戦Aブロック第二試合
織斑 一夏&シャルル・デュノア ペア 対 ラウラ・ボーデヴィッヒ&岸原 理子 ペア

 これを見逃したら後悔してしまいますからね。
 岸原さんはクラスメイトですが、どうやら組める人がいなかったみたいです。ISは予想通り『ラファール・リヴァイブ』を使用っと。

「大丈夫ですよこのくらい」

「すまん、あの段階で鈴かセシリアは落としている予定だったのに」

「作戦は作戦、実戦は実戦です。作戦通りいけば最もいいですがそうは行かないのが実戦ですよ。対応し切れなかった私たち二人のミスです」

「し、しかしだな……」

「箒さん?」

 ニコニコ

「う……いや、しかし……」

「箒さん?」

 ニコニコニコニコ

「うう……」

「ほ・う・き・さ・ん?」

 ニコニコニコニコニコニコニコニコ

「うううう………つ、次やる機会があれば負けないように頑張ろうな」

「はい、頑張りましょう」


『それでは、始めてください』


 箒さんにそう答えたとき、スピーカーから試合開始の声が聞こえました。

 開幕早々、一夏さんが仕掛けた。フェイントも何も無い一直線、最短の距離を『瞬時加速』によって一気に駆け抜ける。それを見たボーデヴィッヒさんが右手を突き出した。

「AICか……」

 箒さんの言うとおり、猛スピードで突っ込んだ一夏さんの動きがある位置でピタリと止まる。そして『シュヴァルツェア・レーゲン』の大口径レールカノンが一夏さんをほぼ零距離で捉えた。
 その一夏さんの真後ろから頭を飛び越えるように現れたのは『ラファール・リヴァイヴ・カスタムU』を纏ったデュノアさん。六一口径アサルトカノン『ガルム』の炸裂弾をボーデヴィッヒさんに浴びせ掛けます。
 デュノアさんの射撃によってレールカノンの射線がずれて砲弾がアリーナのシールドに当たり爆発した。
 更に撃ち込んでくるデュノアさんに押されてボーデヴィッヒさんが急後退し、それを許さないようにデュノアさんが左手にアサルトライフルをオープンする。

「やはり早いな」

「ええ、私よりも更に」

 箒さんの声に頷く。武器を量子化してから次を展開するまではどんな慣れた人でも1秒近くかかります。それをデュノアさんはほとんどラグ無しでやっている。それは即ちどんな戦闘状況でも対応できるということ。
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