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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
白VS黒
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ぼないというハイリスクハイリターンな武装。

 いくらISが防いでくれるとは言っても衝撃全てを防いでくれる訳ではありません。衝撃を殺し切れずにボーデヴィッヒさんの体が傾いた。
 更にそれでは留まらずISにも紫電が走り、強制解除の兆しが見え始めます。

「勝ッ……!」

 私たちがそう思った。その場にいる誰もがデュノアさんの勝利を疑いませんでした。

「あああああああああっ!!!」

 その思いがアリーナに響き渡る叫び声で掻き消された。その声の主はボーデヴィッヒさんから発せられたもの。
 『シュヴァルツェア・レーゲン』から激しい電撃が放たれすぐそばにいたデュノアさんが弾き飛ばされます。

「い、一体何……が……」

「あ、あれは……まさか……」


 箒さんが上げかけた声を引っ込める。そして私はその光景から目をそらすことは出来ない。
 一度……一度だけ資料の映像で見たことがある……あれは………でもあれは……!

「『VT……システム』!」

 それでも現実は変わらない。『シュヴァルツェア・レーゲン』はどんどんその姿を変えていきます。
 最早変えていくなんて生易しい表現ではなく、変異。アメーバのような微生物が姿を変えるように、子供が粘土で作った作品を崩し、作り直すかのようにボーデヴィッヒさんを中に取り込み、黒い球体へと姿を変えていく。

 『シュヴァルツェア・レーゲン』は既にその原型を留めておらず、球体が脈動しながら地面へと降りていき……そしてそれが地面についた瞬間に、ものすごいスピードで何かの形を作り始めた。

 作られたのは黒いISに似た何か。

 何かは分からない。
 人間的な体とISらしきもの、頭部にはフルフェイス型のバイザーが赤い光を放っている。しかし他は黒一色である。簡単に言えばものすごい簡単なプラモデルの素組み。それが一番分かりやすい。
 そしてその右手には刀に近い近接ブレードを持っている。

「カルラ、あれを知ってるのか?」

 箒さんの言葉が聞こえる。聞こえるだけ……声が出ない……

「カルラ? おい、どうした! 顔が真っ青だぞ!?」

 そうですか……今私は真っ青です……か……

 意識が遠のく……


 次に視界が歪む……


 意識が闇に落ちる……


「カルラ! おいカルラ!」


 箒さんの声が遠ざかり…………消えた……
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