白虎竜のハク
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重ね合わせていた。
「それで?」
「??」
「最後の一人は?」
立ち上がりながら少年へと問いかける白虎の竜。その問いを受けた少年は、親指を立てて、それを自分へと向ける。
「俺だ!!」
「「「「「え?」」」」」
少年の予想外の答えにはハクも彼の後ろにいた少女たちも驚きを隠せなかった。
「僕の方が絶対速いよ!!それは譲れない!!」
目の前の彼の答えを聞いたハクは怒りの形相へと早変わり。その言葉を撤回させるべく攻撃を放ち、シリルはそれを間一髪で交わす。
「いいや!!俺はもっと速くなる!!そして今!!お前を越えてやる!!」
周囲が揺れるほどに魔力を高め、溢れ出るそれを自身の右腕へと集める。その一撃を放つため、目の前にいる少年目掛けて最速で間合いに入った。
「滅竜奥義改・水中天嵐舞!!」
「うわあああああ!!」
水と風を纏った拳を受けた少年は回避することもできずに壁へと打ち付けられ、そのまま地面まで滑り落ちる。そのまま彼は意識を失っているのか、ピクリともしない。
「やった!!ウェンディを守ったぞ!!」
「自分の貞操もね」
「ププ〜、告白されてたもんね」
勝利を手にした少年は両手を高々と上げて勝鬨を上げ、そんな彼に二匹の猫が笑いながら声をかける。
「シリル!!すごかったよ!!」
そんな彼にキラキラとした笑顔を向けるのは最愛の少女。彼女のそんな笑顔を守れたと考えると、少年の達成感は計り知れないほどだった。
ゴゴゴゴゴゴゴ
そんな中、突然揺れる大迷宮。それによって彼らがいるその場所は、崩壊しているのではないかと言うほど地形が変化していく。
「なっ・・・」
「何これ・・・」
突然の出来事に意味がわからず目を白黒させるシリルたち。そんな中、藍色の髪の少女は意識を失っている少年を真っ先に見た。
「シリル!!あの子助けないと!!」
「えぇ!?」
「お願い!!」
敵であっても見捨てることができない少女。それに対し恋敵のような感情を抱いていた少年は納得できなかったが、彼女の上目遣いには勝てなかったのか、ハクを背負ってその場から走り出すのだった。
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