白虎竜のハク
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か間違っているような、そんな困惑の色が出ていた。
「そんなの関係ないよ。だって僕、こんなに可愛い女の子見たことないもん」
うっとりとした顔でそんなことを言う少年。それに少女は顔を真っ赤にしていたが、その隣にいる人物は完全にキレていた。
「俺は男だ!!」
お決まりの台詞。それを聞いた瞬間、少年は目を見開いたが、何かに気付きすぐに元の幼い表情へと戻る。
「やだなぁ、そんなウソつかなくてもいいのに」
「ウソじゃねぇよ!!」
「・・・え?」
しばし呆然としていた猫のような格好をしている少年だったが、すぐに事態を把握し・・・
「それでも好きでしゅ」
「うぐっ」
またしても愛の告白をしていた。その一歩も引かない少年の純粋さに、さすがのシリルも何も言い返すことができない。
「・・・さっきあなた、私たちの仲間を二人倒した・・・って」
そのやり取りを見ていたウェンディは冷静さを取り戻すことができたようで、真剣な表情で敵を見据える。
「私たちの仲間がやられるわけないと思ってるけど、もし本当に傷つけたなら私は許しません」
少年からの愛の告白に動揺していたものの、彼女は相手が敵であることを思い出しすぐにでも戦えるように集中力を高めている。しかし、そんな彼女に対し少年は柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「やだなー、"ぬいぐるみ"にしただけだよ。傷つけたりしてないよ」
「ぬいぐるみ?」
「どういうこと〜?」
少年の言葉の意味がわからず後ろからシャルルとセシリーが現れる。彼はそんな二匹を指差すと、突然彼女たちはぬいぐるみのような姿へと変化してしまう。
「シャルル!?」
「セシリー!?」
「ね?こんな感じ」
突然ぬいぐるみのようになってしまった二匹を心配そうに見つめる二人。彼女たちはどうやら身体に力が入らないらしく、身動きが取れなくなっていた。
「二人を元に戻せ!!」
「戻したら僕と付き合ってくれる?」
「なんでそうなるんですか!?」
悪意があるようには見えないものの、身勝手な少年の言葉に珍しく怒声を上げる少女。しかし、水の竜はぬいぐるみにされた二匹を見てあることに気が付いた。
「これ、もしかして状態異常なんじゃない?」
「だったら・・・レーゼ!!」
エレンティアでの出来事があったこともありすぐにその魔法の攻略法に気が付いたシリル。ウェンディはそれを受けて状態異常解除の魔法を放つと、二匹はすぐに元の姿へと戻った。
「何今の!?どーやったの!?なんで僕の魔法が解けちゃったの!?」
初めて自身の魔法が解かれたからか、目を輝かせて問いかけるハク。そんな彼の姿にもう少女の心は揺らがなかった。
「私は付加魔導士。そして治癒の力
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