白虎竜のハク
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勝利に湧いていた二人の妖精。そのうちの一人、水色の髪をした少年は何かに気付き、そちらへと顔を向けた。
「誰だ?」
「シリル?」
少年を見て三人もそちらへと視線を向けると、そこには笑顔を見せながら歩み寄ってくる小さな少年がいた。
「僕、ディアボロスのハク。もう二人やっつけたんだよ」
ピースをしながら近付いてきたその人物に彼らは困惑した。容姿も仕草も子供にしか見えない相手が敵のギルドを名乗って現れたのだから。
「「え!?子供!?」」
思わず二人の声が重なる。驚いている二人の声を聞いてハクは頬を膨らませて不満げだ。
「子供っていっても君たちだって小っちゃいじゃないか」
「それはを言われると・・・」
「なんとも言えない・・・」
自分たちも少年と大して変わらない年齢であることを思い出し恥ずかしそうに笑い合っているシリルとウェンディ。そんな二人の反応に笑っていたハクだったが・・・
ズキューンッ
恥ずかしそうにしている二人の顔を見た少年は顔を赤らめると、フラフラと身体がよろめき出す。
「「??」」
突然どうしたのかと少年の方を首をかしげる二人。その姿を見た少年の心は踊っていた。
「二人とも可愛い!!な・・・なな・・・名前教えてくだシャい」
「え?」
「噛んだ!?」
「いや!!ちょっと待て!!」
「可愛いって〜・・・ぷぷ・・・」
緊張している少年に対し四人は別々の反応を見せる。その中でも懸命に笑いを堪えている茶色の猫と、それを睨み付けている水色の髪の少年は反応が遅れたが、困惑していたのか藍色の髪の少女はそれに返答していた。
「ウェンディ・・・です!!」
「ウェンディ!!いい名前!!」
何がなんだかわからない様子の少女とは正反対に、彼女の名前を聞くと目をハートにしているハク。彼はそのまま、彼女のと隣にいる人物に視線を向ける。
「・・・シリル・・・です」
不本意といった表情ながらも根は優しいからか答えてしまう水の竜。それを聞くとハクは小躍りしながら二人の名前を叫び続けている。
「な・・・なにこれ?」
「嫌な予感しかしない・・・」
その異様な光景に目を点にしている少女と顔を俯かせている少年。しばらくしてハクは二人にかしこまった姿勢で会釈する。
「好きでしゅ」
とんでもない爆弾を投下しながら。
「えぇぇ!?」
「ふざけんなぁ!!」
突然の告白にびっくり仰天の天空の巫女とぶちギレの水の竜。その後ろでは白い猫は呆れたような表情を浮かべ、茶色の猫は手を叩きながら笑い、転がり回っていた。
「あの・・・私たち・・・敵同士なんだよね?」
カオスな状況の中、なんとか冷静さを保っていた少女がそう言う。その顔は嬉しいような何
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