第二章
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「悪いわね、じゃあ一週間位ね」
「それで下宿先見付かりますか」
「市内でね」
「そうですか、じゃあそれまで」
「お願いするわ」
こう言って吉能の部屋に居候することになった、千夏は料理も作ってくれたし色々気を使ってくれた、だが。
吉能は同僚にこっそりと話した。
「あの人日課で毎朝走ってるの」
「ランニングね」
「だから朝早くて」
それでというのだ。
「走りに出た時の音でね」
「あんたも起きるのね」
「それでお料理作ってくれたら」
今度はこちらの話をした。
「こっちの味じゃないのよ」
「大阪の」
「石川の人だから」
「そっちの味なの」
「そうなの。それでお酒私ビールだけれど」
この酒が好きだがというのだ。
「あの人は日本酒なの」
「ああ、何かと違うのね」
「プライベートでも凄くいい人だけれど」
仕事の時とな軸というのだ。
「何かと違うわ」
「まあそれは仕方ないわね」
同僚は吉能にこう返した。
「人は十人十色だから」
「色々違うわね」
「私彼氏と同棲してるけど」
同僚は自分のことも話した。
「家じゃ冬でもボクサー一枚で野球は横浜サッカーは鳥栖だから」
「関西なのに」
「大阪生まれなのにね」
「私達阪神なのに、先輩も阪神だけれどね」
「サッカーは?」
「同じよ、ガンバよ」
こちらのチームだというのだ。
「そこは同じよ」
「そういうのは同じね」
「そうなの」
「まあ同じ部分もあるってことで」
「納得することね」
「それでいいでしょ」
こう言うのだった。
「人それぞれ、特に変な人でないと」
「それでよしね」
「むしろお料理作ってくれて気遣ってくれるなら」
「凄くいいわね」
「そうでしょ、あんたも悪い思いしてないでしょ」
「全くね、むしろこのまま一緒でもいいかなってね」
吉能は笑って話した。
「思ってる位よ」
「けれどあの人そのままずるずるって人じゃないでしょ」
「昨日下宿先決まったそうだし」
同僚に微笑んで話した。
「避難した時に持って行けたものと一緒にね」
「そちらに移られるの」
「そうなの、そうした人だから」
「余計になのね」
「尊敬出来るわ」
こう言うのだった、そして吉能は下宿先が決まりそこに移る千夏に彼女がそちらに移る時に礼を言われてだった。
彼女に焼肉を奢ってもらった、北新地で食べたそれはとても美味くこのことも同僚に話した。そのうえで本社で千夏と一緒に仕事をしていきもしてさらに彼女に敬意を持ったのだった。それを動画で言ったことは言うまでもない。
恩人が居候になって 完
2023・5・21
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