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SAO−−鼠と鴉と撫子と
21,亀裂
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くはありません」

助けを求めてアルゴを見ると、アルゴも薄笑いを浮かべながら両手のメタルクローを、ってメタルクロー!!?

ガチガチと震える俺に、二人はにっこりと最恐の笑顔をみせた。





「――とにかく、罠解除には私かアルゴさんがお供しますのでそのつもりで」
「はい。済みませんでした」
「それから、クー助やキー坊も探してくれたそーだから、そっちにも謝るコト」
「はい。誠心誠意お詫びをさせて頂きます」

ホームへと戻りながらの道中でひたすら俺は謝り続けていた。
両サイドを女性陣に固められ、その中心を肩身狭くトボトボと歩いている。
たかだかソロ攻略でどんだけ怒ってるんだよ、などと思っているとアルゴが再びこちらをキッと睨み付けてきた。
その鬼気迫った眼差しが10分前の悪夢を思い出させた。
感情表現を誇張気味に表現せざる負えない俺の体からはダラダラと汗がこぼれる。

「「今度、20層にあるレストランでフルコースを奢るコト」」
「……はい、デザートまで含め奢らさせて頂きます」

ヨロシイ、と言ってようやく二人は追及をやめてくれた。
取り巻いていた殺気がゆっくりと収束していく。
そういえばフルコースって何コルするんだろう?さっきのお金、全額はさすがに気前が良すぎたかもしれない。

「しかし、広域落とし穴にはまって、一人でよく生きてたナ」
「運が良かったんだよ」

そこで、ようやく俺はトラップに引っかかってからの先、銀色の全身鎧を身に纏ったプレイヤーが助けてくれたことを話した。
そう言えば名前を知らなかったな、と遅まきながらに思っていると横からふてぶてしい顔が覗き込んできた。

「おねーさんに任せナ。そいつの特徴、憶えてるナ?」
「銀の甲冑で全身を覆ってるソロの盾持ち片手剣士。ビルドは多分、筋力値優先型ってところか」

答えながら、ストレージからコインを出して親指で弾いた。500コルはクルクルと回転しながら相棒の右手に吸い込まれていった。
たしかに、とコケティッシュなトーンで返事をしたアルゴはしっかりと情報屋モードになっている。

「って、まさか分かるのか?」
「うーん、流石にそれだけじゃ絞りきれないな。今度、リストにするヨ」

鼠にかかれば、それくらいの情報は簡単に集まるだろう。それに、アルゴは商売上のルールとして情報を買った人の情報すら売ってしまう。
つまり、俺が「盾持ち片手剣士の情報リストが欲しい」と言えば、アルゴはそのリストの奴に片っ端から「盾持ち片手剣士の情報リストを欲しがってるクライアントがいるけど、情報買うカ?」と聞いて回るのだ。

まあ今回に限っては悪い話ではない。その情報が流れれば、もしかしたらあの騎士自体が名乗り出てくれるかもしれないし。
と、そこまで考
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