忘れていたじゃ済まされない
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なまたな!!」
「今度はギルドで会おーね!!」
「頑張れよ〜!!」
「気を付けてなー!!」
「早く帰ってこいよー!!」
「バイバーイ!!」
「・・・と、旅立ったものの・・・」
「アテ・・・ないですよね」
意気揚々と旅立ったものの、よく考えたら俺たちはこれから先のことを何も考えていなかった。そのことに気付いた時には、もう町も見えなくなっていて引き返すこともできないけど。
「五神竜はあと三頭ですけど・・・」
「セレーネも行方不明、他の竜の場所もわからん」
「どーすんだよ!!」
水神竜さんの時は事前情報があり、アルドロンはその彼から居場所を教えてもらい、セレーネはファリスさんのおかげで遭遇することができた。ただ、ここからは本当に手がかりなし・・・この大陸のどこかにいるという情報だけで探すのは現実的ではない。
「私に考えがある」
手詰まりかと思っていたところ、大荷物を軽々と引っ張っている緋色の剣士には何か案があったようだ。
「一度、エレフセリアのところに戻ってみないか、これまでの報告と手がかりを得るために」
彼女のナイスな提案に俺たちは即座に賛同する。そうと決まれば善は急げと、俺たちはすぐさまエレフセリアのいる魔陣の竜へと向かった。
空から降り注ぐエーテルナノ。雪にしか見えないそれを懐かしく思いながら俺たちはギルドの中へと入っていく。
「相変わらずエーテルナノ濃度が高いわね」
「雪みたいですね」
「エレンティアでは降ってなかったんだけどね」
ここよりもエーテルナノ濃度が高かったエレンティアでもこのような光景は見られなかった。それだけここは神秘的な場所なのかとも考えることができる。
「そういやあのじーさん、普段は何してんだろーな」
「うむ。案外だらしない生活をしていたりしてな」
そんなことを話しながら奥へと進んでいく俺たち。すると、壁際で何やら壁画と向き合っているエレフセリアさんの姿を見つける。
「よ、久しぶり!!」
「ん?」
まるで友達に再会したようなテンションで声をかけるナツさん。だが、その声に彼は反応しない。そのことにハッピーが違和感を感じている。
「おーい。エレフセリアさん」
「どうした?じーさん」
「具合でも悪いの?」
聞こえていないのかはたまたわざとなのかわからずに近づく俺たち。彼の真後ろまで来たところで、彼が見ている壁画が何なのか気が付いた。
「見よ。これは五神竜を型取った石碑。水神竜メルクフォビア、木神竜アルドロンは封じられた」
「知っていたのか?」
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