忘れていたじゃ済まされない
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。特にリサーナさんは俺たちよりもエドラスでの生活が長かったわけだし彼らのその後は気になることだろう。
「全員に会ったわけじゃないですけど、元気そうでした」
「子供も生まれたりしてましたよ」
「「「「「子供!?」」」」」
俺たちは7年間の空白があるせいでそれほどに時間が経っていたようには思っていなかったけど、あちらの世界であれだけの変化があったことを考えると時の流れを感じてしまう。
「魔力がないなりにみんな知恵を絞って生きてる感じで・・・」
彼らのことを思い出したウェンディは嬉しそうな笑みを浮かべている。魔法が使えなくなっても、世界が違くても妖精の尻尾の団結力は揺るがないのだと思わされたのもあるだろう。
を王子は・・・ミストガンは?」
「立派な王になっていたわよ」
「みんなに慕われてたよ〜」
エドラス出身のリリーは特に親しかったミストガンさんのことを聞き出し懐かしそうにしている。そんな彼に同僚だったエドラスのエルザさんのことをハッピーが面白おかしく伝えていて衝撃を受けていた。しかもそれが真実だからまたなんとも言えない気持ちになるんだよなぁ・・・
それから思い出話に花を咲かせていた俺たちだったが話が落ち着いてきたのを見計らい出発に向けて動き出す。
「もう出発するのか」
「いやー、だってこかギルドみてーだし」
「長居すれば別れが惜しまれる」
「だね、この酒場すっかりホームみたい」
大陸を越えて来ているはずなのにまるでギルドにいるような錯覚に襲われるほどに溶け込んでいる。ただ、さすがにミラさんたちと焦り始めているようで、そろそろ帰ろうかと検討していたらしい。もう少し観光するとか言ってたけど。
「グレイ様〜!!行かないでください〜!!」
「そうもいかねーんだ、大事な仕事なんだからよぉ」
「ジュビア、シリルに変装して付いていきます」
「それはさすがにバレるだろ」
号泣しているジュビアさんがなんだかとんでもないことを言っていた気がするけど俺は耳を抑えて聞こえなかったことにする。そんな俺とウェンディのところに、別れのためかジェットさんとドロイさんが歩み寄ってくる。
「シリル、ウェンディ。ちょっと見ない間に大きくなったよな」
「成長期ってやつかな?」
「いやぁ・・・そんなに変わってないんですよねぇ」
「あ・・・でも少しの間だけは・・・」
社交辞令なんだろうけど、何度も言われていることだからそろそろ気にしてしまう気持ちもあり嬉しさ半分悲しさ半分といったところ。彼らの足元からセシリーとシャルルに催促され、名残惜しいけど俺たちはドラミールの町から旅立つことにした。
「そーゆー訳だから、みん
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