忘れていたじゃ済まされない
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いします」
「任せて〜、シャルルがなんとかするから〜」
「はぁ!?なんで私なのよ!!」
トウカに手を握られたセシリーはそれを華麗にスルーしてシャルルに全責任を押し付けている。急に話を振られた彼女は気恥ずかしそうに顔を赤くしていた。
「ファリスさん?」
「どうしたんですか?」
そんな中、一人顔を俯かせたままこちらと目を合わせない人がいる。それは俺たちをここに連れてきたファリスさんなんだけど、気になったウェンディと俺は顔を覗き込みながら声をかける。
「私・・・皆様にどれだけの迷惑をかけたのか・・・」
どうやら白魔導士として妖精の尻尾のみんなを操ったことや今回の出来事のことを思い出し責任を感じている様子。ただ、それを俺たちは責めることはできない。
「この世界を救うためだったんでしょ?」
「セレーネにそそのかされていたんだ、気にするな」
「でも・・・私・・・」
なおも責任を感じ落ち込んでいたファリスさん。そんな彼女を見て、ナツさんが笑顔である提案をする。
「じゃあ一発殴らせろ、それでチャラだ」
「ダメよ!!」
「なんてこと言うんですか!?」
笑顔で悪魔のような発言をする彼にどん引いてしまう。いや、悪魔は悪魔なんだけどなんでそこまでの笑顔でそんな畜生的な提案ができるんだ?
「あんた加減知らないんだから本気で殴るつもりでしょ!?女の子でも!!」
「そうだけど」
何当たり前のこと言ってるんだといった表情のナツさん。ただ、ファリスさんはそれを聞いて深々と頭を下げる。
「お願いします!!気が済むまで殴ってもらって構いません!!私・・・この罪をどうすれば償えるかわからないんです!!」
涙ながらに彼の提案を受け入れるファリスさん。そして了承を得た彼は肩をグルグル回しながら歩み寄る。あくまで笑顔で。
「よーし!!じゃあ覚悟は決まったな」
「ちょっと!!」
「おい・・・ナツ・・・」
「待ってください!!」
「ナツさん!!やめてください!!」
彼の行動にざわつき始める周囲。ただ、エルザさんもそれを承知したらしく、俺たちが邪魔をしないように前に立つ。
「歯ぁくいしばれやぁ!!」
その怒声で覚悟を決めたファリスさんは目を閉じ全身を硬直させる。その身体は恐怖からなのか、震えていた。
「お前は俺の仲間を操って・・・仲間同士で戦わせた!!」
「はい・・・」
「そいつはなぁ・・・」
振り上げられた拳。しかしそれは、俺たちの予想とは異なるものだった。
「最高に燃えたぞ!!」
彼女の額にまるでグータッチのように当てられた拳。それを見た俺たちは彼の行動の意図を理解し、安堵の息を漏らした。
「いやー、久々にみんなとマジで戦えて
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