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FAIRYTAIL転生伝 〜 黒き魔王は妖精と共に 〜
第八話『豹変した友との決別』
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(なんだ!誰なんだこいつは!!)



俺はもうそいつをジェラールだとは思わなかった。いや、思えなかった。



そう思わざるを得ないほど、ジェラールの様子は普段と百八十度変わっていた。



「今なら奴等の気持ちも、少しは分かる。あのゼレフを復活させようとしていたんだ。だが、奴等はその存在を感じる事が出来ない哀れな信者どもさ」



ジェラールはそう言って、未だに地べたに這い蹲る神官のうちの一人に足をのせる。



「なぁ?」

「ひぃ!?」



その神官は今まで気絶したふりをしていたのか、ただ動けなかっただけかもしれないが、ジェラールの問いに小さく悲鳴を上げる。



「この塔は俺がもらう。俺がRシステムを完成させ、ゼレフを蘇らせる」

「ど……どうしちゃたの?ジェラール……」



様子がおかしいジェラールに動揺するエルザをジェラールはあざ笑うかのように見ながら、そのままその看守の頭を―――



グシャッ!!



―――踏み潰した。



「!?」

「なッ!?」



その後も、ジェラールは魔法でどんどん看守達を殺していく。



「アハハハハハハハハハハハ!!」



無惨な看守達を見て、ジェラールは笑い狂う。



(狂ってる……)



俺は自らの友、いや友だった《・・・》男のそんな行動に、そう思わずはいられなかった。



「ジェラールもうやめろ!!」

「やめて!!!ジェラール!!!」


だからこそ俺たちは必死にジェラールへと呼びかける。きっと元のあいつに戻ってくれると信じて。



ジェラールはそんな俺たちの声につまらなそうに視線を向ける。


「やめる?お前等はこいつらが憎くないの?」

「に…、憎いけど…そんな……」


ジェラールの返答に歯切れ悪くそう返すエルザ。そんな彼女をジェラールはあざ笑う。


「ダメだ。そんなことではゼレフを感じとることはできない」


ジェラールはそう言うと、こちらにジェラールが視線を向けている間に逃げ出そうとした神官の一人に向かい、再び魔法を放つ。



「ジェラール……しっかりしてよ……。きっと何日も拷問を受けていたせいで……」



エルザがジェラールのあまりに異常な行動に涙ながらにそう訴えるが、ジェラールはバッサリとそれを切り捨てる。



「俺は正常だよ。ユウト、エルザ……一緒にRシステムを……いや、『楽園の塔』を完成させよう。そして、ゼレフを蘇らせるんだ」


「…断る。今のお前にはついていけん」

「馬鹿な事言ってないで、私達はこの島を出るのよ!!」

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