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FAIRYTAIL転生伝 〜 黒き魔王は妖精と共に 〜
第八話『豹変した友との決別』
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「わかった。さっそく行ってみよう」
「わかった」
そして俺たちは駆け出した。
俺たちの大切仲間を救うために……。
(今助けに行くぞ。無事でいてくれよ、ジェラール!!)
☆
☆
ジェラールの姿を探して五分ほどの時間が経った時、俺とエルザは懲罰房で腕を縛られ、吊されたジェラールを見つけることができた。
「ジェラール!!」
「ジェラール、大丈夫!?」
俺達は駆け寄り、ジェラールを吊していた縄を断ち斬る。
ジェラールは俺と同じように神官どもから拷問を受けていたらしく、体中酷い傷だらけになっていた。
「全て終わったぞジェラール。反乱が成功した」
「そうだよ!!私達は自由なんだよ!!」
俺たちは、満身創痍なジェラールをそう元気づけながら、倒れ込んだジェラールを抱き起こす。
けれど、俺はそこでジェラールの様子がおかしいことに気づく。
瞳にはいつもの輝くような光ではなくどこまでも深い闇が宿っており、その顔は、どこか熱に浮かされているような陶酔しているような表情を浮かべていた。
それを見て困惑する俺をよそに、ジェラールはゆっくりと口を開く。
「……ユ……ウト……エルザ……もう逃げる事はないんだ。」
「え?」
「なに?」
「本当の自由は、ここにある」
ジェラールはそれだけ言うと、ふらふらと立ち上がり幽鬼のような足取りで歩き出す。
「ジェラール?何言ってんの?一緒に島から逃げるのよ」
「………」
(おかしい。なんだこの違和感は……)
俺は元々のジェラールの魔力がどんなものかは知らない。その時には俺は魔力を感知する術など持たなかったからだ。
だが今なら感じ取れる。
ジェラールに纏わりつく恐ろしいほど禍々しい《・・・》魔力が。
ミカボシから貰った知識に、魔力とはその者の本質を表すとあった。
(……これがあのジェラールの魔力だというのか?)
俺が考え込む間も、ジェラールは言葉を止めない。
「エルザ。ユウト。…この世界に自由などない」
「!?」
「なに?」
「オレは気づいてしまったんだ。オレたちに必要なのはかりそめの自由なんかではない。本当の自由…」
――――ゼレフの世界だ
ぞわっ!?
そう言ってこちらに振り返ったジェラールは、口元に禍々しい薄笑いを浮かべていた。
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