少女の気付き
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をスザクは止めることができなかったらしく、膨らみ続けていた魔力が限界点に達したらしい。それはもう、白滅が使えるファリスさんたちでもどうしようもないほどに。
「ワシらは代々この世界の魔力の調和のために余分な魔力を白滅・・・消しておった。だがセレーネは時空を渡り歩きより多くの魔力のこの世界に集めていく」
「何のためにそんなこと・・・」
「奴の目的はわからん。だが、このままではエレンティアは確実に滅ぶ。魔力の膨張による大爆発によって世界が消滅する」
大巫女さんがそう言うと、まるでそれを待っていたかのように地面から生え出てくる巨大な手。しかもそれは一つではなく、至るところから生えているように見えた。
「なんて数の"手"じゃ・・・」
「もう終わりだ・・・」
「世界が終わる」
異常な光景に涙を流す巫女たち。その後ろでトウカやファリスさんがこの世界からの脱出のための話をしているが、ウェンディは何かに気付いたような顔をしている。
「ウェンディ?どうしたの?」
「シリル、この光景・・・見覚えない?」
突然そんなことを言われて頭をフル回転させる。確かに似たような光景を見たような気もするけど、それが何だったか思い出せない。
「なんだっけ?」
「フェイスだよ。アースランドのフェイス!!」
「あぁ!!」
世界から魔力を消す評議院が保有していた兵器。エレンティアにおける手は魔力膨張の象徴として出てきているけど・・・
「それが関係あるってこと?」
「わかんない・・・でも、何か関係あるかも」
ウェンディの中で何か引っ掛かる点があるのかもしれない。それが何かはわからないけど、彼女のその気付きはもしかしたらこの状況を打破できるものかもしれない。
「ダメ!!水の翼は使えない!!」
「魔力が膨張しすぎて空気が圧迫されてるんだ!!」
「神様・・殿様、大白巫女様どうかお助けを!!」
「最後のはあんただろ!!落ち着け!!」
「落ち着いてられるかぁ!!この世界が消滅するんじゃ!!」
大混乱に陥っているみんな。このままではウェンディが何かに気付く前に終わってしまう。
ドンッ
喧騒の渦に巻き込まれていく人々を一瞬で黙らせるほどの大きな音。それは起き上がった青年が畳を叩いたことにより生まれたものだった。
「そんなことはさせねぇ」
「セレーネを討てばよいのだろう」
「俺たちが止めてやる!!」
致命傷になりかねなかった傷が癒えたことにより目覚めた二人の妖精。彼らの復活を受け、俺たちはすぐさま動き出した。
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