少女の気付き
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もしかしたらあの人がディアボロス最強の魔導士ってことなのかな?
第三者side
カッカッカッカッ
長い廊下を早歩きで進む赤い髪をした青年。その表情は怒っているのか何も考えていないのかわからないほど変わらない。
バタンッ
その勢いのまま扉を殴るように開ける。部屋の中ではイシュガル大陸において高い実力を保有している面々が慌ただしく動き回っている。
「おかえり、カミュ」
「まだ連絡取れないのか?」
「まぁ・・・あの子たちじゃねぇ」
お手上げとも取れるような反応を見せるリュシー。そんな彼女を見て青年はタメ息を付き、頭をかく。
「カミューニ殿、エルザ殿たちを呼び戻した方が良いのでは?」
「いや・・・そこまで深刻ではないだろう」
歯切れが悪い彼にジュラは煮え切らないようで珍しく不機嫌さを隠そうとしない。他の面々も手元にある資料に目を落としながら、眉間にシワを寄せていた。
「もしこの情報が本当なら、大変なことだぞ」
「全てのギルドに通達するべきじゃ!!おおう!?」
ハイベリオンもウルフヘイムも苛立ちを隠せない。だが、それにウォーロッドだけは冷静さを失っていなかった。
「いや・・・下手な動きを見せてはすぐにでも襲撃されかねない。ここは今しばらく状況を見守るべきじゃ」
「事が起きてからでは遅いんじゃぞ!!ウォーロッド!!」
険悪な雰囲気に全員の表情が暗くなる。そんな中で、赤髪の青年だけは違うことを考えていた。
「リスクを背負える人材が必要だな」
誰に言うでもなくそう呟いた彼は、すぐに横にいたメルディにメモを渡す。それを受け取った彼女は一瞬顔を強張らせたが、すぐに部屋から出ていった。
「もっと戦略を練ろうぜ、冷静にな」
立ち上がり全員の視線を集めてから静かな口調でそう告げる。それによりヒートアップしていたその部屋は一時的に落ち着きを取り戻したのだった。
シリルside
「ああああああ!!」
外から聞こえてくる女性の悲鳴。それは仲間たちの勝利を教えるものだった。
「倒したぁ!!」
「やったぁ!!」
「やっぱりすごい・・・妖精の尻尾」
セレーネの手下たちを倒したことで盛り上がる巫女さんたち。だが、その幸せな時間はそう長く続かなかった。
ゴゴゴゴゴ
座っていた俺たちでもわかるほどの大きな揺れ。それを感じ取った巫女さんたちは大騒ぎしていた。
「これは・・・」
「い・・・いかんぞ!!エレンティアの魔力が暴走しておる!!」
「「ええ!?」」
どうやら本気になったセレーネ
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