第一章
[2]次話
子猫達が治してくれたもの
カナダブリティッシュコロンビア州ポートラングリーの動物保護センターに収容された傷だらけで薄い焦げ茶と黒の虎模様の年老いた雄猫はメイソンと名付けられた、彼は収容されてすぐに警備員をしているフランソワ=シャガールの家に家族として迎えられた、だが。
「フ〜〜〜・・・・・・」
「ずっと野良だったらしいが」
「そのせいかしらね」
シャガールも妻のマリーも困った顔で言った、夫は白い髪の毛で目は青く大男だ。妻はブロンドでアイスブルーの目で中背でスタイルがいい。彼女はスーパーで働いている。
「人に懐かないわね」
「けれど腎臓がかなり悪いらしくてな」
「身体が弱ってるのね」
「だから俺達が世話しないとな」
そうしないと、というのだ。
「いけない子なんだよ」
「そうなのね」
「けれどな」
それがというのだった。
「これだけ人を警戒してるとな」
「それもよね」
「どうなるか。この子だけじゃなくてな」
夫はさらに言った。
「三匹子猫も来るが」
「同じセンターから引き取ってね」
「その子達と仲良くしてくれるか」
「心配ね」
夫婦でそんな話をした、そしてだった。
メイソンにはご飯と水、トイレを用意するだけだった。幸い彼はご飯や水は口にしトイレもちゃんとした。だが一家には懐かず。
暫く過ごしていて三匹の子猫白い雌猫のモニカとチャトラの雄猫ケニーとメイソンと同じ薄い焦げ茶と黒の虎模様の雄猫ペレアスが家に来た、夫婦は彼等とメイソンが仲良く出来るか非常に不安であったが。
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