特別なキス
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認しようと振り向いた。
「その声・・・エルザか?」
「あぁ」
凛々しい声で返事をする緋色の剣士。しかし、彼女の姿を見た青年の表情は固まっていた。
「お前・・・その身体・・・」
上半身は辛うじて彼女とわかることができるが、顔には蜘蛛の巣が張ってあるような模様があり、下半身は完全に蜘蛛へとなっている。その禍々しい姿にはグレイもあ然とせざるを得なかった。
「ふんっ!!」
心配するグレイにいきなり剣を振り下ろすエルザ。だが、その殺気に彼は気付けていたためなんとか回避することができた。
「魑魅魍魎の妖怪って・・・もしかしてエルザたちのことなのか?」
本当は多数の妖怪がいる洞窟内だが、セレーネの策略により姿を現したエルザを見て彼はそう考えていた。それと同時にその表情が怒りへと変わる。
「俺らの仲間をなんだと思ってやがるんだ」
シリルside
「まさか・・・セシリーたちか!?」
目の前に現れた巨大な虎はエクシードトリオそのままの声をしている。でもその身体は明らかに大きく・・・いや、てかもはや猫の原型を留めていないんだけど・・・
「ハッピー、シャルル、セシリー。やっちゃってにゃん」
ウェンディの指示を受けて突撃してくる三匹。さすがに仲間を攻撃するわけには・・・
「いや、待てよ?」
咄嗟に後方へ下がってこの三匹をどうやって止めようかと思ったけど、俺、よく考えたらセシリーのこと結構殴ってるよね?
「頑張ってシリルをやっつけるにゃん」
なんだか楽しそうにしているウェンディには悪いけど、セシリーを殴っていいならシャルルとハッピーもその分類に入れていい気がする。いや・・・というよりも・・・
「俺よりデカくなってんじゃねぇ!!」
なんでかわからないけど、その感情の方が勝ってしまった。
「「「えええええ!?」」」
まさか攻撃されるとは思っていなかった三匹は俺からの飛び蹴りを受けて驚愕の声を上げながらその場に伏せる。なんだか悪いことをした気もするけど、彼女たちは駆逐されるべきモンスターになったんだと自身に言い聞かせながら平常心を装う。
「ふぇえ・・・三人をいじめないで〜!!」
しかし、その三匹を見て泣き叫ぶ少女を見た瞬間、心が張り裂けそうになる。
「うわっ・・・俺が悪い奴みたい・・・」
実際は向こうから襲ってきてるわけだし攻められる謂れはないはずだが、なんだか罪悪感が芽生えてくる。しかし、そこに来てあることに気が付いた。
「あれ?ウェンディは攻撃してこないのか?」
三匹が倒されたからといってウェンディが攻めに出てくる気配がない。その理由がよくわからなかったが、それ
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