特別なキス
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
どうやら別々の場所に転送されたのかと思っていると、脳内にセレーネの声が響いてくる。
『そこは黒月山の最下層。魑魅魍魎の妖怪どもが住まう場所・鬼ヶ月。そなたたちは別々の場所にいる、妖怪どもを撃破してここまで登ってこれるかな?
私たちはそこでもがくそなたたちの様子を肴に宴を楽しむの』
そう言って高笑いしながら声が彼女の声が途切れる。
「むぅ・・・ということはとりあえずここを進まなくっちゃいけないわけか」
どこをどう進めばいいのかもわからないけど、とりあえずは先に行かないことには話にならない。そう思って足を前へと進めていたところ、覚えのある匂いに気が付きそちらを向く。
「ウェンディ?どこ?」
その匂いは恐らくウェンディのものだと思い声をかける。すると、目の前にゆっくりとした足取りで小さな少女が現れた。
「うん、でも今日から化け猫になったんだ」
「なっ・・・」
頭には猫耳を付けて手も肉球のついたものへと変化しているウェンディ。何のコスプレかと思っていたけど、その耳とお尻から這えている尻尾が彼女の動きに合わせて動いているところを見ると、もしかしたらマジで這えてるのかもと錯覚させる。
「ねぇシリル、今日は私といっぱい遊ぼうにゃん!!」
「え?その格好で?」
「うん!!殺しちゃうぐらい楽しんじゃうに!!にゃあ!!」
可愛いんだから怖いんだかわからない発言をしているけど、とりあえず可愛いという感情が勝っているのは内緒。でも何がどうなってこんなことになってるんだ?
「どうしたの!?ウェンディ!!あいつらに変なことされたの!?」
もしかしたらエルザさんやルーシィさんもおかしくなっているのかと思って問いかけると、彼女の後ろから巨大な足音が・・・地響きを立てながら近付いてくる。
「ウェンディを傷つける人は許さないわ」
「あい」
「そうそう〜」
ウェンディの何倍もの巨体を揺らしながら現れた三頭の虎。だが、それから発せられた聞き覚えのある声に俺は唖然としていたのだった。
第三者side
「とりあえず、ナツとシリルを探すしかねぇか」
頭をかきながら歩み始める青年。その足取りは気のせいなのか、いつもよりも重たいように感じる。
「つーかあの女ども、変態の集団かよ。男の裸を肴に酒を呑むとか・・・」
彼は先程まで受けていた辱しめのことを思い出しながらグチグチと文句を言っている。その際仲間たちの名前を出しながら一人芝居をしていたところ、たまたま最愛の女性の名前が出てきてその場に立ち止まる。
「ジュビア・・・」
「ジュビアが気になるか?グレイ」
突然背後から聞こえた仲間の声。グレイはその姿を確
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ