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『外伝:青』崩壊した世界に来たけど僕はここでもお栄ちゃんにいじめられる
妹のため、弟が兄に反撃する話
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のサーヴァントであるこのわたし、ゴッホのみなのです。」
「…。」

じゃあ、みんな行けないってこと?

「舞様が彼の夢の世界に行くことなどそれこそ自爆に等しいです。あの方は舞様を捕らえることにとても躍起になっていましたから、夢の世界に入り次第即認知され、全力で捕えられることでしょう。」

じゃあ僕だけでも…!
そう言おうとした時ゴッホちゃんはまるでそれを見透かしたみたいに、僕が行けばどうなるかを説明した。

「さみしくありません。悲しくも、怖くもありません。舞様の為と思えば、いくらでも勇気が出ます。それに、見てください。」

そうしてゴッホちゃんは、姿を変える。
真っ白な姿。ふわふわ浮いてクラゲのようで、両手は向日葵の花束を持っているみたいなまるで異形の姿に。

「ゴッホの身体は元々、あいつのマスターとしての素質があまりにもないせいで霊基再臨なと出来ないはずでした。いわば、Lv1で上限でもう上がらないと言いましょうか。
ですがこうして、舞様が霊基を描き替えてくれたおかげでこの姿へと変わることが出来たのです。」
「……。」
「最初に会ったばかりの頃、言ってくれましたね。『きっとすごいサーヴァントなんだよ』って。」
「…!」

そうしてゴッホちゃんは、ふわりと宙に浮く。

「その意味がようやく理解出来ました。きっとゴッホは、この為に生まれたのだと。舞様が後押ししてくれたおかげで、ゴッホはこうして逝けます。」
「違う!違うよ!!そんな意味で言ったんじゃない!!」

ゴッホちゃんを止めるべく、僕も浮いて後を追おうとする。
しかし、

「だめだよマイマイ!!」
「舞さん!!」
「!!」

ぐん、と引っ張られて戻される。
後ろを見ればそこには布を引っ張るユゥユゥとアビーが。

「離して!!じゃないとゴッホちゃんが!!」
「これは舞さんが解決できる問題じゃないの!あのゴッホさんにしか出来ない事なの!!」
「ゴッホちゃんがやらなかったら、またこっちにお兄さんが来る。今回はなんとかなったけど次はわかんないよ!」

止めるな、止めないで。
じゃないと助けに行けない。
それでも意地で進もうとすると、足を触手でがっちり絡め取られてしまう。
そうしているうちに、どんどん離れていくゴッホちゃん。

「ゴッホちゃん!!!駄目だ!!ゴッホちゃん!!」
「…マイ。」
「お兄さんの言うことが聞けないの!?いつからそんな悪い子になったの!?ゴッホちゃんっ!!」
「マイ!!!」
「っ!」

お栄ちゃんに怒鳴られ、黙り込む。

「…。」
「あいつの意志を、汲み取ってやれ。」
「お栄ちゃん…。」
「マイとあいつがどれくらい付き合いがあったのかは細かくは知らねぇ。けど…あれはあいつなりのけじめ
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