第3部
ルザミ
ルカの成長
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「まあ、昔から人の顔色伺ったりしてたからね。なんとなくわかるよ」
彼女はそう言いながらも明るく答えた。ダーマの件があってから、シーラは以前より自分のことを話すようになった。けれどなんとなく、自分を卑下しているように聞こえるのは気のせいだろうか。
「お前の言うとおりだよ。そのせいであいつに負けたからな」
「ナギちんが寝不足だなんて珍しいね。なんか悩みごと?」
話を戻し、シーラはさらにナギに尋ねる。ナギはうーんと唸り始めると、何故か私の方に顔を向けた。
「実は今朝……、変な夢を見た」
「えー、何々!? どんな夢?」
シーラが興味津々ではしゃぐが、ナギは神妙な表情で沈黙した。
そして私は、彼のその様子に既視感を覚えた。
「……もしかして、また予知夢?」
私の一言に、目を丸くするナギ。どうやら図星らしい。
「今度はどんな内容なの?」
私は恐る恐る彼に聞いた。確か前回は、洞窟で倒れていた私が出てきたのだが、それはすでにバハラタの洞窟で実際に起きている。さらに前には、ユウリの王様姿が出てくる夢を見て、これまた実際にユウリはロマリアで王様になった。なので今のところ、ナギの予知夢の的中率は、良くも悪くも百パーセントなのである。
「今回は……辺り一面緑が広がってて、そこにオレたちが立っていて、何かを探しているような感じだった。でも、その中にミオ、お前はいなかった」
「!?」
「つまり、あたしとナギちん、ユウリちゃんはそこにいたってこと?」
「ああ」
ナギがうなずくと、一同に沈黙が広がる。私は気まずさを紛らわそうと、無理矢理理由をひねり出す。
「いや、でもさ、たまたま私だけ離れたところにでもいたんじゃない?」
「じゃあなんでお前一人だけ離れてたんだ? 何か理由があるはずだろ」
「う……、確かに……」
そう言われてしまうと、どんどん不安になってくる。なんで私にばかり変なことが起きるのだろう。
「ナギちん、他に何か夢を見なかったの?」
「いや、そこで目が覚めちまったからな」
シーラもいつになく真剣な表情で顎に手を添えている。それが逆に事の深刻さを表しているようで余計不安を掻き立てる。
「でもさ、それが予知夢とは限らないんでしょ? 普通の夢ってときもあるじゃない」
「オレもそう思いたいんだけどさ、でも、なんとなくわかるんだよ。これが普通の夢とは違うって」
「……」
「それに、前にイシスで見たお前が洞窟で倒れていた夢なんだけど、どうも腑に落ちないんだ」
「どういうこと?」
「なんかこうしっくり来ないっていうか……。違和感が残るっていうか……」
ナギにしては歯切れの悪い言い方に、私はもどかしさを感じていた。それは傍にいたシーラも同じで、納得できないような顔でさらさらの金髪を無造作にかきむしった。
「あ
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