アインクラッド編
黒猫との再開
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にもよるが、部屋に入って30分もすれば、撤退してくる。
だが、偵察隊が出てきたのはおよそ1時間後だった。
疲れ切った様子の偵察隊からの説明を聞いて、アスカまで疲れたような気がした。
ボスは予想通り、〈迷宮区〉に出現するモンスターと同じ、亀。
甲羅が岩肌のようにごつごつしていることと、体躯が数倍になっていることを除けば、フィールドや迷宮区で見かける亀型モンスターとそこまでの相違点はない。
確認できた攻撃は前足による横薙ぎと踏みつけ、後方の敵に対しては尻尾による攻撃、そして口からの水弾の射出。
どれもたいした速度でもなく、威力も低いので、タンクプレイヤーがきちんと防御すればノーダメージで防げる。
が、泣きたくなるほどに膨大なHPとありえないほどに堅い防御力を有している。
タンクプレイヤーの数人で囲んで甲羅の上からソードスキルを叩き込んでも、HPバーには数ドットの変化しかなかった。
付け加えて信じられないくらい武器の耐久値が減った。
1時間の戦闘でボスのHPバーは1段の僅か1割しか削れず、その代わりに武器の耐久値が半分ほど減った、と報告された。
単純計算で考えても、40時間かかる。だが、それよりも重要な問題は武器の耐久値だ。
恐らくボスにもフィールドのモンスターの亀と同じく、攻撃中の頭へのクリティカルヒットで大きなダメージと数秒の硬直時間を与えれるはずだが、重武装の偵察隊ではろくに成功しなかったらしい。
大半の攻撃は甲羅の上からのごり押しソードスキルになるだろうが、2時間で剣が砕け散ってしまう。
結局、食事と水分と寝床をボス部屋に最寄りの安全地帯に大量に容易して、数人の鍛冶職人もその場所に待機させておくことにした。
もちろん全部の資金が攻略組のお財布から徴収されるので、全員がびみょーな表情になっている。
後は60近くのプレイヤーを30人ずつのレイドパーティー2つに分けて、数時間で交代してボスの相手をし続ける、という事になった。
人数が物を言う作戦なので、少しレベルが低いプレイヤーも参加している。
本音を言えば、もう少し人数がほしいが、無い物ねだりをしていても話は始まらない,とアスカは割り切る。
解散していくプレイヤー達を尻目に、アスカはボス戦に向けてのレイドパーティーの編成と配置を考える。
資料を捲りながら知略に耽っていると、攻略会議をしていた大広間に1人の団員が入ってくる。
「すいません、副団長」
「どうした?」
資料に目を通しながら返答する。
「実はさきほど、ボス攻略に参加したいと言ってきたギルドがいまして・・・」
「・・・なに?」
話半分で耳を傾けていたアスカだけでなく、大広間に残っていたプレイヤー達も驚く。
現状、ボス戦に参加できるようなレベルのギルドは全
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