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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
黒猫との再開
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断して、言葉を発する。

「全員、一旦安全地帯で休息。その間に昼食も済ませてください」

アスカの指示に団員達の表情が急に変化。喜びを浮かべている。
誰もがこの迷宮区の攻略に嫌気がさしているのは明白だ。
そんな団員達の姿に溜息をつきたくなるが、自分も似たような心境なので飲み下す。


一番近くにある安全地帯へと向かい、すぐに到着する。
この迷宮区のモンスターはポップ率もかなり低い。
移動の時は楽でありがたいが、モンスターを捜すだけでも一苦労なので全然嬉しくない。
「疲れたー」や「しんどい〜」などと愚痴を零しながら安全地帯に入る団員の先頭に立っていたアスカの目に先客の姿が入る。
黒衣の片手剣士、キリトだ。
向こうもこちらに気づき、げっという風な表情になる。
まるで面倒な相手と鉢合わせた、といった感じだ。
キリトとはかなり離れた場所に座った団員達も人それぞれの表情でキリトへと視線を注いでいるが、その視線には明らかに友好的な感情ではないものが含まれている者もいる。
具体例を挙げるなら、最近入ってきた両手剣士、クラディール。

そんな互いのやりとりを見て、アスカは再度溜息を付きたくなる。


第1層からずっと攻略組としてボス戦に参加している者が殆どいなくなった今、キリトのことを〈悪の黒ビーター〉などと揶揄するプレイヤーは少なくなった。
というより、普段のキリトの姿を見ていれば、そんなプレイヤーではないことくらい誰にでも分かる。卑怯者としては優しすぎる。

だが、例外というものはどんなことにも存在するものであり、未だにキリトの悪名を信じている者がいる。
具体例を挙げるなら、最近入ってきたおっさん剣士、クラディール。

まあ、キリト本人が気にしてないようなので、アスカが何か言うことでもないのだが、キリトが性別を偽っていることを知るアスカとしてはクラディールのような態度を取るプレイヤーのことが気にくわない。

キリトもキリトで、未だに自らを〈悪の黒ビーター〉と認識している節があり、こういった状況ではすごすごと退散することが普通だ。
その態度も何故かアスカには納得がいっていない。


だが現状、安全地帯の出入り口付近に座っている〈血盟騎士団〉の近くを通るのがイヤなのだろう、キリトは動こうとしない。
その姿に呆れながら、アスカは立ち上がり、キリトの方へと向かおうとする。
すると、後ろからクラディールに引き留められる。

「・・・副団長、何をしに行くつもりですか?」
「別にマップデータの受け渡しをするだけだ」

アスカの返しにクラディールが少しだけ声を荒げる。

「あんな野郎にこちらの情報を渡す必要ないでしょ!」

クラディールの物言いに不快な気分になるが、あくまで事務的な態度でアスカは答
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