臨界魔法世界
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ィアを救うためでした」
「そんな話を信じろってのか」
「ですよね。ただ、これだけは真実なんです。エレンティアは滅びます。月神竜セレーネの手によって」
第三者side
周囲に物がほとんどない空間で寝そべっている一人の男。彼は険しい表情をしながら、うんうんと唸っている。
「珍しいね、君がそんなに頭を悩ませるなんて」
そんな彼に白い羽根が生えた黒髪の青年が話しかける。その声が聞こえた方に、彼は横たわったまま視線を向ける。
「いやぁ、神ってのもやることが大きく面倒でね」
「君、ほとんど何もしてないじゃないか」
「いいんだよ、配下に頭いい奴がいるんだからな」
舌を出して悪びれる様子もない彼に青年はやれやれといった表情を見せる。ただ、すぐに男は真剣な表情になっていることから、何か問題があるのはすぐにわかった。
「何をそんなに悩んでるんだい?」
「めんどくせぇ状態になっちまってなぁ」
「解決法も思い付かないほどの?」
「いや、あることはあるんだが・・・」
彼は身体を起こすと青年の方を見る。すると、わざとらしく大きなため息をついてみせた。
「あぁ、まともな配下がほしい」
「それはどういうことかな?」
笑ってはいるものの明らかに怒りを感じさせている青年だったが男は気にする素振りもない。彼は今度は座った状態で腕組みをして頭を悩ませ始めた。
「二人とも、何をどうしたんですか?」
「ずいぶんと悩んでいるみたいだけど・・・」
そう言って入ってきた少女と少年はその雰囲気に困惑していたが、男は何かを思い付いたらしく、少女の方を指さす。
「お前に使命を与える」
「え?突然なんですか?」
「重要な役目だ、できる限りお前だとバレないようにやってくれ」
「??何をするんですか?」
彼が何に悩んでいてそれを解決するために自身が何をすればいいのかわからず首をかしげる少女。そんな彼女に、男は立ち上がりながら話しかけた。
「簡単だよ、ちょっとしたアドバイスをしてくれればいい。そうすれば少しは役に立つだろう」
何を考えているのかわからない彼に三人は顔を見合せ、ため息をついた後盛大に笑っている。その姿はまるで家族のように見え、男は静かにその笑いが収まるのを待っていた。
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