臨界魔法世界
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できないし、押し黙ることしかできない。
「月神竜セレーネ。そのドラゴンはアニマよりも強力な世界移動能力を持っているらしい」
「世界移動能力?」
「あぁ。そのドラゴンはエレンティアもアースランドも・・・その気になればこのエドラスにも自由に行き来できるというわけだ」
異次元過ぎる能力に呆れるしかできないのか、ブランドはやれやれと肩をすくめてみせる。確かにそんな相手がいるのに魔力を奪おうなんてしても、反撃を喰らってしまうのがオチ。だからエレンティアではなくアースランドに標的を合わせてきたのか。
「でもエレンティアの人間がなんで俺らをエドラスに・・・」
「何か事情がありそうだな、ウェンディを見ると」
「え?」
ブランドが視線を向けた方に俺も顔を向けるとそこにはエドラスのウェンディがこちらへとかけているのが見える。その時胸元があまりにも揺れているため、なんだかいけない気持ちになって顔を伏せた。
「シリル!!」
「どうした?ウェンディ」
「ミストガン王子からで人探しの依頼が来たのよ。それも至急で」
「あぁ、なるほどな」
俺もブランドもその探し人が今回の事の発端である人物であることをすぐに察した。そのため、エドウェンディとブランドがすぐにその場からかけていき、俺もそれに続こうとする。
「アデナウアー、お前は城にいっておけ」
「え?なんで?」
「ミストガンに会ってこい、せっかくの機会なのだから」
そう言ってニヤリと笑った彼は隣に並ぶ女性と共にかけていく。その姿は以前見た時と変わらない、誰よりも男らしいものに見えた。
「まだまだ叶わないのか、ブランドにも」
彼のその大人の余裕も優しさも俺には到底身に付きそうにない。ただ、お似合いの二人の邪魔をするのも気が引けたので、彼の気遣いを受けつつ俺はジェラールに会うために城へと向かったのだった。
「ジェラール!!」
「シリル、久しぶりだな」
城に駆け込むとそこではウェンディたちがエドラス王国の魔戦部隊の体調だった人たちと共にジェラール・・・いや、ミストガンを囲んで楽しげに会話していた。俺は久しぶりに会えた彼の胸に飛び込もうとして・・・
「無礼者がぁー!!」
緋色の髪をしたメイドに殴り飛ばされた。
「エルザ!!」
「「はい!!」
「ナイトウォーカーの方だ」
地面に伏せている俺を睨み付けていたのはエドラスのエルザさん。ただ、彼女はミストガンに注意されてしょんぼりしている。
「大丈夫?シリル」
「何がどうしてエルザさんがメイドに?」
「あれでも騎士団の団長らしいわよ」
「惚れてるんだって〜」
エドエルザさんの変わりように驚かされつつも俺たち
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