臨界魔法世界
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という天才型の人間はいるが、奴らはさらにその前に頭の中に何百通りの行動パターンが浮かんでいるらしい」
あくまで一説だが、と付け加えるブランド。確かに天海の動きはあまりにも合理的すぎて、まるでどのように動けばいいのか最初からわかっていたようにも思えるものが多い。それがもし強さの秘訣なら、あいつを倒せる策はあるのか?
「ジェラール・・・いや、ミストガンに会わなくていいのか?みんな先に行っているだろう?」
俺が静かに考えを張り巡らせていると、ブランドは気を使ってなのかそんなことを言ってくる。でも、今はそれどころじゃないんだよね。
「ジェラールにはあとで話にいくよ」
俺とウェンディが化猫の宿に入る道筋を作ってくれたジェラール。彼との再会は大事なものだけど、なんか久しぶりすぎて逆に何を話せばいいのかわからないんだよね。
「なら、俺からお前には話しておこうかな。たぶん他の奴らはミストガンから聞いているだろうし」
「??」
何を改まっているのかと思ったけど、彼の表情は真剣そのもので思わず俺も背筋が伸びる。
「お前たちをエドラスに連れてきたのは、もしかしたらエレンティアの人間かもな」
「エレンティア?」
聞いたことがない名称に首をかしげると、ブランドは頷いてから言葉を紡ぐ。
「9年前に実行されたアニマ計画の標的の候補に上がっていたもう一つの世界だよ」
そう言われた瞬間、恐らく俺は鳩が豆鉄砲を喰らったような表情になっていたことだろう。それだけ今彼の言った言葉は衝撃だったのだから。
「もう一つの世界?」
「あぁ。こことは違ってエレンティアは臨界魔法世界と呼ばれるほどに魔力が溢れすぎているらしい。何ならアースランドよりも遥かに・・・な」
そう言われてもピンと来なかった俺は腕を組んでイメージしてみる。アースランドよりも魔力が豊富って・・・どういう状態?
「そのエレンティアでは魔法の神・・・略して魔神が崇め奉られているんだ」
「その神様が魔法を与えてくれたって考えられてるの?」
「そういうことだな」
アースランドでは生死の神・アンクセラムがよく名前に出てくるけど、やっぱりどこの世界にも神様っているんだな。いや、俺たちが追いかけている五神竜も神と称されてるんだけどさ。
「まぁ、アニマ計画の対象からエレンティアを外したのは、神とか呼ばれるドラゴンがいるかららしいけどな」
「え!?」
その言葉に俺はすごい勢いでブランドの方を見る。その勢いがあまりにもあったためか、彼は少し引いていた。
「ど・・・どうした?アデナウアー」
「あ・・・いや・・・」
神と呼ばれるドラゴンというと五神竜のことしか考えられない。ただ、そのことは契約の観点から伝えることも
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