臨界魔法世界
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ミストガン王子なら何とかしてくれるかもしれねぇな。けどその前にエルザ、王都にいるこっちのエルザ・・・ナイトウォーカーには絶対に会うな。後悔することになるよ」
エドルーシィさんの言葉にアースランドから来た俺たちは言葉を失っている。しかし、ブランドとエドウェンディがクスクスと笑っているのを見ると、恐らく深刻な問題ではないのだろうと察しがついた。
「それよりさ、エドルーシィ。できれば服とか貸してくれないかな?」
そこで顔を赤くしていたルーシィさんがそう言うと、彼女の格好が人に見せられないようなあられもない状況であることを思い出す。そしてエドルーシィさんの家にある彼女の昔の服ならサイズも合うことだろうということで、そちらへと向かうことになった。
「ねぇ、ブランド」
「ん?どうした?」
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど・・・いい?」
「子供の作り方か?」
「違うわ!!」
その際俺はエドラスに来たこともありせっかくなら聞きたいことがあったのでそれについて聞いてみたいと思い、ブランドと共にみんなとは別行動を取る。それにダブルウェンディもついてこようとしていたけど、少し説明が面倒なことになりそうなので彼女たちを制止して二人でブランドの家へと向かったのだった。
「青藍家?」
俺が聞きたかったこと、それはエドラスのヴァッサボーネである天海についてのこと。
「うん。すごい強い一族なんでしょ?」
「う〜ん、そう聞いたことはあるなぁ」
なぜか歯切れの悪い・・・というか記憶を懸命に探っているようなブランドの行動に首をかしげる。エドラスの統一を目論んでいた国王がもっとも警戒していたと聞いていたのに、なぜ王国軍に所属していたことがある彼がその名前を知らないのだろうか?
「もしかして知らないの?」
「一応わかるが、もうとっくの昔に滅んだ一族だと聞いているぞ?」
「え?」
もう何十年も前に自らの子供に家族全員が殺されたことにより青藍家の血筋は途切れているらしい。そういえば天海が父親を殺したって話は聞いていたけど・・・もしかして前にエドラスに来た時にはすでにその一族はいなかったから話を耳にすることもなかったのか。
「しかしまた、なんでそんな話を・・・」
「あいつの強さの理由が知りたくて」
「あいつ?」
誰のことを言っているのかわからないブランドは首をかしげるが、俺はそのことを説明しないでいた。それで何かあることを察してくれた彼は問いかけることをやめてくれる。
「あくまで文献に残っているデータだが、青藍家はたぐいまれな身体能力とそれに匹敵する頭脳があると聞いたことがあるぞ」
「頭脳?」
「あぁ。よく考えるよりも先に身体が動いた
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