第93話:軌道拘置所
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する区画です」
俺が1尉の言葉に無言で頷くと、1尉は扉の脇にあるパネルに手をかざす。
一瞬パネルが青白く光ったかと思うと扉のロックが外れる音がした。
「さ、どうぞ」
そう言って1尉は俺に先へ進むように促す。
俺が促されるまま扉を抜けると1尉は俺に続いて扉を抜けた。
直後、自動的に扉は閉まり再びガチャリという音とともにロックされた。
「このロックは?」
俺がそう尋ねると1尉は申し訳なさげに首を振る。
「申し訳ありませんが機密です。お教えできません」
そう言って1尉はさらに通路の奥へと進んでいく。
先ほどまでと全く変わらない通路の様子に俺は少し不安を覚える。
「これほどまでにずっと同じような光景が続くと迷ってしまいそうですね」
俺がそう言うと1尉は小さく笑った。
「それが目的で全く同じ内装を全通路に採用しているのですよ。
かく言う私も初めてここに来た時は迷ってしまいましてね」
顔だけ振り返りながらそう言った1尉の顔には苦笑が浮かんでいた。
「ですから、ここにいる間は私から離れないようにお願いします。
監視システムは完備してますが、探すのも厄介ですので」
「わかりました」
やがて、他と何ら変わりない1つの扉の前で1尉の足が止まった。
「ここが面会室です。お入りください」
そう言って1尉はやはり扉の脇にあるプレートに手をかざし、
扉のロックを外した。
部屋に入ると簡素なテーブルが部屋の中央にあり、それを挟むように
向かい合わせに置かれた椅子が2脚あった。
部屋の隅にはこれまた簡素な机と椅子のセットが1つ置かれている。
「どうぞお掛けになってください」
俺は1尉に勧められるまま中央のテーブルに向けられた椅子の一脚に
腰を下ろす。正面には俺が入ってきたのとは違う、しかし全く同じ形の
扉が1つあった。
「間もなく来られると思いますのでそのままお待ちを」
そう言って1尉は部屋の隅に置かれた椅子に腰かけた。
俺も1尉も一言も発することなく、低く小さく唸るような空調の音だけが
面会室の中に響いていた。
しばらくして、1尉の持つ通信機が呼び出し音を鳴らす。
「はい・・・。了解した。お通ししてくれ」
1尉は通信機をしまうと、真剣な表情で俺を見る。
「3佐。ここに来る前にサインしていただいた宣誓書にも書いてありました通り
ここでの会話はすべて記録されます。また、ここでなされた会話の内容は
いかなる相手であっても被告の裁判が終了するまでは一切口外なさらないで
ください。よろしいですね?」
「はい、理解しています」
俺がそう答えると1尉は固い表情で頷く。
その時だった。俺の正面にある扉がゆっく
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