暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜
ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
17.世界樹への一歩
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お前らのメンツが関わるようだったら........お前もその程度ってことだ」

「貴様!!!」

シグルドがついに剣を振るった。
その行動はシルフ領という圏内で他種族を攻撃を行った。それが意味するのは、無抵抗の相手への安全圏からの攻撃。

「シュウくん!!」

少女の声が響く。シグルドが振り下ろした剣を少し横に避け、槍がシグルドの首もとに当たる寸前で止める。

「き、貴様.......」

「領内と言っても、HPが減らないだけで痛覚自体はあるんだろ」

圏内といえどそこはSAOと変わらないはずだ。シグルドの動きが止まり、一拍おいてから剣を鞘に戻す。俺も少し間を明けてから槍を背負い直す。

「ちっ!外ではせいぜい逃げ隠れろよ、リーファ。お前は必ずそのうち後悔することになる」

シグルドはそう言い残し、塔から出て行った。

「もうくんじゃねぇよ、バーカ」

塔の出口めがけて軽く罵る。

「もう〜、なんて無茶なことするの!!」

後方からリーファが俺に対して怒ってくる。

「悪かったって、あいつの態度にムカついて.......つい」

「ついじゃないよ!!でも、ゴメンね。みょうなことに巻き込んじゃって」

次にリーファは、謝るように言う。

「しかし、いいのか?領地を捨てるって」

「あー.........」

リーファは回答に困ったのか、俺の背中を押しながら塔のエレベーターに向かう。キリトもそれについてくる。

塔のてっぺんは見晴らしがよく、すごい光景が広がる。風が通り、目の前に青い空、緑の芝、大きな山々が広がるまさに自然そのものの光景が広がる。

「すごい眺めだ。空が近い.......手が届きそうだな」

「でしょ。この空を見てると、ちっちゃく見えるでしょ、いろんなことが」

リーファが空に手を伸ばす。

「........いいきっかけだった。いつかここを出て行こうと思ってた」

「そうか.......」

「でも、なんか喧嘩別れみたいになっちゃってゴメンな」

「どっちにしろ穏便には抜けられなかったよ」

「なぁ、レネゲイドって?」

キリトが疑問を出す。

「領地を捨てたプレーヤーはレネゲイド。......つまり、脱領者って呼ばれて蔑まれているのよ」

「いいのか?」

「うん、それはいいんだけど」

リーファが少し空を見上げながら言う。

「......なんで、ああやって、縛ったり縛られたりしたがるのかな.......。せっかく、翅があるのにね......」

その表情は少し悲しげに見えた。

「フクザツですね、人間は。ヒトを求める心を、あんなふうにややこしく表現する理由が理解できません」

キリトの胸ポケ
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