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ドリトル先生と山椒魚
第九幕その一

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               第九幕  奇麗なお水
 先生はこの日はまたオオサンショウウオの研究施設に行きました、そうしてこの生きものを学びますが。
 動物の皆以外にお静さんも一緒です、お静さんはこんなことを言いました。
「私猫又でしょ」
「うん、そうだね」
 先生もその通りだと頷きました。
「お静さんはね」
「猫又ってあれなにょ」
「あれっていうと?」
「人と一緒に暮らしてるでしょ」
 こう先生にお話するのでした。
「そうでしょ」
「街でね」
「元々が猫だからね」
 猫が五十年生きると猫又になります、お静さんも長生きしてそうなっています。
「それで今もよ」
「酒屋さんのご家族でね」
「お店で働いているのよ」
「そうしているね」
「だから山に行くことは」
「あまりないね」
「妖怪同士のお付き合いで行くこともあるけれど」
 それでもというのです。
「やっぱり普段はね」
「街で暮らしているね」
「そうしているから」
 だからだというのです。
「こうしたね」
「山の生きものとはだね」
「あまりね」
 それこそというのです。
「縁がないわ」
「そうだね」
「川魚も好きだけれど」
「そこの生きものもだね」
「ええ、けれど山に行くことはね」
 どうしてもというのです。
「あまりないわ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
 それ故にというのです。
「オオサンショウウオを見ることも」
「滅多にだね」
「なかったのよ」
「そうなんだね」
「いることは知っていても」
「見ることはなくて」
「こうしてじっくり学問として見るなんて」
 そうしたことはというのです。
「これまでなかったと言っていいわ」
「街の妖怪だとそうなるね」
「ただ妖怪としてのオオサンショウウオとはね」
「ハンザキだね」
「こちらとはご存知よ」
「そうなんだね」
「山奥にいてね」
 そうしてというのです。
「そこでよ」
「会ったことがあるんだ」
「あるわよ、お付き合いで山に入ることもあるって言ったわね」
「今確かにね」
「そこでお会いするのよ」
「この兵庫県にもいるんだね」
「十メートルあるのよ」
 お静さんはその妖怪の大きさもお話しました。
「凄く大きいから」
「その妖怪さんとは知り合いなんだ」
「あと大きな蟹や蛙の妖怪ともね」
 彼等ともというのです。
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