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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男
第六話 私が主人公よ!!(嘘) byリンディ
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そうだ。リンディ、腹減ってないか?」


 そう言えば、今日は地球に来てから何も食べていなかった。


「えぇ、空いています」

「なら、ちょっとそこで待っててくれないか?食べて欲しい物を持って来るから」

「はい」


 隼人はリビングを出て、階段を下に降りていった。

 はぁ、とため息を吐き、どうすれば死ねるかを考える。

 何かないかと思って周りを見る。
 あるのは、ソファやテレビやらテーブルやらカーペットやらで死ねるような物はない。

 壁に貼ってある一枚の紙に目がいった。

 それは、なのはちゃんが描いたと思う、大好きなパパを絵で描いている紙だった。

 かなり上手く描けており、これは凄いと声に出した。

 こんな上手な絵を描いてもらったら嬉しいだろうなぁ、と心の中で思った。


「待たせたな、持って来たぞ」


 しばらくすると、ケーキを入れる箱を手に持って隼人がリビングに帰ってきた。

 箱をテーブルの上に置くと、隼人は自分用のコーヒーと私用のお茶に砂糖を入れたコップを持って来ると、箱を私の方に近づけさせた。


「開ければいいの?」

「うん」

 
 嬉しそうな隼人の笑顔を見て、ドキッとなりつつ箱を恐る恐る開けてみた。

 そこには、出来たての暖かいアップルパイが香ばしい匂いとリンゴの甘い匂いを発しながら食べて貰うのを待っているかのように存在していた。

 先程見た夢を思い出し、涙が出てきた。


「お、おい?何で泣くんだよ?」


 隼人の慌てた顔が目に入ってきた。ラッキー。

 
「覚えてくれてたんだ、私の大好物」

「え、えっと、うん」

 
 恥ずかしそうに頭をポリポリと掻く隼人。
 
 私はそれを見て、微笑んでしまう。

 嬉しくて、勇気が出て、元気を貰えて、幸せをたくさんくれるこのアップルパイが私の大好物だ。

 隼人が包丁で綺麗に食べやすいサイズに切って皿に盛り、私にホークと一緒に渡してくれた。


「いただきます」

「召し上がれ」


 嬉しそうに笑顔で私の事を見ている隼人と目が合い、顔が熱くなった。
 
 やだ、恥ずかしい。

 そう思いながらも、アップルパイを一口食べた。


「美味しいよ、隼人」


 そう言って、また涙が出てきた。

 昔食べた時とまったく変わってない味が私の心を幸せいっぱいに満たしていく。


「俺が作ったアップルパイを美味しく食べてくれるリンディが一番綺麗だな」


 隼人のその言葉を聞いた瞬間、胸が高鳴った。

 そして、思った。

 人生3度目の恋を私はした。

 一度目の初恋は失敗。相手は隼人だっ
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