第82話 迷子の子供
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ん、いいよ」
俺はコリン君を肩車する。俺も幼いころは団長にやってもらったっけ。
「あはは!高い高ーい!」
無邪気にはしゃぐコリン君を見て俺はせめて親が見つかるまではお兄ちゃんとして接してあげようと思うのだった。
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「結局ヘイワーズ夫妻は見つからなかったか……」
夜になり全員が集めた情報をエルナンさんに報告して書類にまとめてもらった。
結果的に言えば脅迫状の犯人も絞れなかったしコリン君の両親も見つからなかった。見かけたとか実際に会ったという情報はいくつかあったのだが何処にいるのかまでは分からなかった。
その日はもう日も暮れたので夕食を外で食べた後オリビエさん、ジンさんはそれぞれの大使館に、クローゼさんはグランセル城に、そして俺達はホテルに向かった。
「リィンはどう思う?今回の二つの件について」
俺の部屋に遊びに来ていたフィーが脅迫状とコリン君の両親の失踪について尋ねてきた。因みに今コリン君はエステル達に任せている。
「そうだな、俺としては脅迫状については何とも言えないな。愉快犯の可能性もあるしそっちは警戒するしかないと思う」
「そうだね、皆の集めた情報を纏めても誰がやってもおかしくないからね」
皆が集めた情報では自分の国の人間がそんな事をするとは思えないという話が殆どだ。これで犯人を特定するのはまず不可能だ。
そもそも脅迫状からしておかしいんだよな、そもそも脅迫って犯人が望む内容、目的をさせるために相手を脅す事だ。
でもあの脅迫状には明確な目的は書かれておらず『不幸が訪れる』とだけ書いてあった。これじゃあ悪戯だと思っても仕方ない。
つまり現時点では何も分からないという事だ。これで犯人の目的でも書かれていれば絞れるんだけどな。
「コリン君の両親については……正直結社を疑ってる」
「だよね、唯の一般人が何の情報も残さないで国に入るなんて不可能だし怪しすぎる」
ヘイワーズ夫妻がホテルに泊まったり飛行船を使った記録が無かったのはおかしい、さっきも言ったけど唯の一般人、それも旅行客が魔獣が出る陸路を使うの何でまずあり得ない。
仮に目的があったとしても遊撃士を護衛にしたりするだろう。でもそういった依頼は無かったとエルナンさんの調べで分かった。
つまり現時点で俺とフィーはヘイワーズ夫妻を怪しんでいる。コリン君を置いていったのも俺達に何かを仕掛けるためかもしれない。
「ただ露骨過ぎない?如何にも怪しんでくれって感じだし」
「そうなんだよな……」
フィーはヘイワーズ夫妻が怪しいのは確か
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