第82話 迷子の子供
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
で残ったんだ。
でも子供の体力って凄いな、俺とも追いかけっこをしていたんだけど疲れてフィー達に交代したんだ。でもコリン君は元気に走り回っている。
「でもコリン君の両親は何処に行ったんだろうね?」
「確かクロスベル自治州に住んでいるヘイワーズ夫妻だったな、エルナンさんが軍と協力して情報を集めているようだが……」
姉弟子の問いかけにラウラがコリン君から聞いた両親の名前を呟いた。最初この名前を聞いたとき俺はクロスベルで最近やり手として名を上げている商人がそんな名前だった事を思い出した。
確かハロルド・ヘイワーズっていう名前だったはずだ。直接会ったことはないけど猟兵として有名な人物の名はある程度把握している。
俺達はホテルや飛行船の乗り付け場でヘイワーズ夫妻の情報を得ようとしたんだけどそういった人物が施設を利用した形式が無かったんだ。
「コリン君の話を信じるならヘイワーズ夫妻は急に姿を消したようだ。普通なら子供を置いていなくなったりはしないだろう」
「そうなると普通は旅行客を狙った誘拐を疑うんだけどまさか飛行船やホテルを利用したお客さんのリストにも名前が載ってなかったなんて思わなかったわ」
ラウラの言葉にエステルが複雑そうな表情で答えた。普通飛行船や宿泊施設を使う際に名前を記入するのだがヘイワーズ夫妻の名前は無かった、つまり単純に考えるとヘイワーズ一家は飛行船を使わないで街道を使って行き来しているか偽名を使ってるということだ。
だがどちらもヘイワーズ夫妻の姿を見た人はいなかった。
そうなると徒歩での移動しか考えられないが……あり得ないだろう、一般人が唯の旅行で魔獣も出る危険な街道を使うなんて命知らずもいい所だ。
「とにかく今はエルナンさんの情報待ちだな、流石に不法入国などしていないだろう」
ラウラの言う通り唯の一般人が不法入国など出来るはずもない、関所を超えようとすれば必ず個人情報が残るんだ。もしそれすら無かったら……
(……コリン君は間違いなく唯の子供だ。もし結社の関係者を考えるなら親の方だろう)
コリン君からは強さを微塵も感じない唯の子供にしか見えない。警戒心の強いフィーも何も言わないので彼は間違いなく唯の子供だ。
そうなると急に消えた両親の方を警戒しないといけないな。結社のやることは訳が分からない、俺達を欺くために関係の無い子供を誘拐して洗脳してその親に成りすましていた……なんてなっても驚かないぞ。
もちろん何も関係なくて事件に巻き込まれた、もしくはコリン君と同じで結社に操られているという可能性もある。とにかく今は情報を待つしかない。
「ねえねえお兄ちゃん、肩車して!」
「う
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ