第82話 迷子の子供
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まあまさか猟兵の自分がリベール王国で食べ歩きが出来るとは思っていなかったけど……ある意味棚からぼた餅って奴かな?
「あら、リィンさん。早く食べないとアイスが溶けてしまいますよ」
「おっと……」
おしゃべりに夢中になっていてアイスの事をすっかり忘れていたよ。完全に溶けちゃう前に食べてしまわないと……
「……ってあれ?無くなってる?」
「ん〜?冷たくて美味しいねー?」
俺の持っていた器からアイスが無くなっていた、そのすぐ近くにいた赤い髪の男の子が口にクリームを付けながらアイスを食べていた。
「君は確かエア=レッテンで出会ったコリン君?」
「お兄ちゃん、久しぶりだね!」
コリン君は笑みを浮かべて俺に抱き着いてきた。
「おっとっと……相変わらず元気な子だな。今日はグランセルの観光に来てたのかい?」
「うん、エルベ離宮の観光に行ってたんだー!」
「エルベ離宮?それってもしかして……」
「コリン君!待ってよー!」
俺はエルベ離宮で迷子を保護したというエルナンさんの話を思い出してそれについてコリン君に尋ねようとするとエステルと姉弟子が慌てた様子で走ってきた。
「エステル、姉弟子も……」
俺は二人と合流して事情を話してもらった。
「えっ、親御さんが見つからない?」
「そうなのよ……」
俺の予想通りエルベ離宮で保護された迷子の子供はコリン君だった。普通ならそのまま親を探して彼を引き渡すのだがコリン君の両親はエルベ離宮では見つからなかったらしい。
「街道とかにはいなかったんですか?」
「うん、必死に探したし人にも聞いたんだけどそれらしい人は見かけなかったって……」
エマの質問に姉弟子はそう答えた。警備をしている人がいるから人の出入りを見ているはずだけど……たまたま見てなかったのか?
「それでもしかしたらグランセルに戻ってるのかもしれないと思ったから戻ってきて探していたんだけど……」
「見つからなかったのか……」
コリン君の両親とはエア=レッテンで会ったが子供を置いて何処かに行ってしまうような無責任な人間には見えなかったけどな。
「ねえコリン君、お母さんとお父さんは何処に行ったの?」
「分かんない、気が付いたらいなくなってたの」
「そうですか……」
クローゼさんが優しくコリン君に尋ねると彼は急にいなくなったと答えた。
「益々わからないですね、コリン君のご両親は何故いなくなってしまったのでしょうか?」
「何か事件に巻き込まれたのかな?」
「とにかく一度ギルドに戻りませんか?他のメンバーが何か知ってるかもしれませんし……」
「そうね、まずは一旦戻り
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