第82話 迷子の子供
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い。
まあただの猟兵でしかない俺がそんな事を考えても仕方ないんだけどな。
「おや、通信ですね」
そんな時だった、ギルド支部にある導力通信機が鳴ってそれをエルナンさんが出る。
「……なるほど、直ぐに向かわせますね」
「エルナンさん、どうしたの?」
「実は……」
エルナンさんの話によるとエルベ離宮に観光で来ていた子供が迷子になっていたらしく保護をしたそうだ。だがその子の保護者が見つからないようなので遊撃士に探してほしいとのことらしい。
唯でさえ今は忙しいから軍の関係者では動けないのだろう、その子の保護をエステルと姉弟子に任せて俺達は溜まっていた依頼をこなすことにした。
俺は現在エマとクローゼさんと行動を一緒にしている、彼女達と一緒にグランセルの地下水路にいる手配魔獣を探している所だ。
「でもクローゼさんはギルド支部で待機していてもよかったのに……」
「ごめんなさい、でも少しでもお役に立ちたかったんです」
「その気持ちは俺も分かりますよ、貴方の安全は俺が守りますから後ろにいてくださいね」
「はい、お願いしますね」
クローゼさんは割と行動力のある人なので俺達についてきた。こうなった以上彼女をしっかりと守らないとな。
「そういえばエマの戦いは俺は見た事が無かったな、基本はアーツで戦うんだっけ?」
「はい、アーツ以外にも魔法や棒術を多少使えます」
「棒術も使えるの?」
「はい、お母さんに教えてもらいました」
どうやらエマのお母さんであるイソラさんは棒術も使えるみたいだな、思い返してみればD∴G教団のアジトで初めて会った時見事な対さばきをしていたな。
エステルの様にメインではなく咄嗟の攻撃手段ぐらいにしか使わないらしいが……お手並み拝見だな。
「なら連携を取れるように君の戦い方を見せてくれ。前衛は俺が出るから後方からサポートを頼む」
「分かりました」
そして地下水路に出てくる魔獣と戦ってみたが……なるほど、エマも中々やるな。
彼女の戦い方は実に多芸だ。補助、攻撃、防御を状況に合わせて使いこなしている。
接近されたら棒術でいなしたり攻撃して距離を取る、余裕があるなら補助アーツ、いざという時は魔法で作った障壁でガードも出来る。俺が動かなくともクローゼさんのフォローをしてくれるので動きやすい。
正直西風にスカウトしたいくらい優秀だ、絶対にスカウトはしないけど。だってあんな血生臭い世界にエマを引き込みたくないからな。
でもそう思う程彼女は優秀だ。ちょっと実戦慣れしていないのか想定外の事が起こると一瞬動きが止まってしまうという欠点もあったがそれも直ぐに慣れていく
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