第82話 迷子の子供
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こらセリーヌ……」
「いやいいよ。昔からあんまり動物には好かれないから」
俺は昔から動物には好かれないようで大体が怯えて逃げて行ってしまうんだ。
「多分動物はリィンさんの内部に眠る異能を恐れているんだと思います。動物はそういうのに敏感ですから」
「そうか……エマはこの力について何か知らないか?」
「ごめんなさい、私ではちょっと……でもお婆ちゃんならなにか知ってると思います」
俺は異能の力についてエマに確認してみたが彼女も分からないと言う。だが彼女の祖母なら何か知ってるかもしれないようだ。
「私のお婆ちゃんは魔女の長でもあり様々な事を知っています。もったいぶる悪癖がありますがその知識は本物です」
「それならこの件が片付いたらエマの里にお邪魔させてもらおうか、その祖母さんやイソラさんにも会いたいからね」
「はい、その時は里を上げて歓迎いたしますね」
このリベールでの旅が終わったらエマの祖母やイソラさんに会うために彼女の里を訪れると約束した。
「リィン、こんなところにいたんだ」
「フィー」
するとデッキにフィーが現れた。
「そろそろ着くっぽいから準備した方が良いよ」
「あっ、なら荷物を持ってきますね」
エマはそう言って船の中に戻っていった。
「リィン、早速浮気?」
「い、いやそんなんじゃ……!」
「ふふっ、嘘だよ。恋人になれたんだしそのくらいじゃ怒らないってば」
フィーはそう言ってクスクスと笑った。
「まったく……」
俺は溜息を吐きながらもそんなフィーを見て笑みを浮かべた。
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グランセルに到着した俺達は久しぶりにグランセルのギルド支部に顔を出した。そしてエルナンさんから軍から来た依頼の内容を確認する。
どうも通信では聞かせにくい内容のようで軍の関係者が出向いてソレを説明してくれるらしい。エルナンさんの予想では『不戦条約』が関係してるかもしれないと言っていた。
これはリベール、エレボニア、カルバートの3つの国の間で締結される条約で分かりやすく言うなら暴力や武力ではなく話し合いで物事を解決しようという条約だ。
(ただエレボニアとカルバートがそう簡単にその条約を守るとは思えないんだよな……)
ゼムリア大陸でも特に強い軍事力を持つこの二大国家は争いごとや厄介ごとも多く起こしてきた。特にエレボニア帝国は最近猟兵の出入りが多くなってきており、団長たちは戦争の前触れを予想していた。
戦場を生業としてきた団長たちがそう言うのだからなにかしらは起こるだろう、それはそう遠くない未来なのかもしれな
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