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渦巻く滄海 紅き空 【下】
七十一 正体
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「久しぶりに会えて嬉しいぜ。イルカ」



ハヤテの顔で嗤う男の姿。
この場所をナルに教え、“封印の書”の巻物を盗ませた。



ここ数年ぱったりと消息を絶ち、見なくなった顔が月光ハヤテの顔に被って、見えた気がした。
もう眼には視えないが、イルカの瞳には確かに懐かしい姿が映っていた。







「ミズキ…」




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